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「ここが有名な清水の舞台ってやつか」

おおっと感嘆の声を上げた伊藤くんは高さ12mはある舞台へと走っていった

「誰か歌うのか?」

「いや、歌わないよ。清水の舞台から飛び降りるって言事がある通り昔は飛び降りる人が多かったらしいヨ、恋愛成就とかのためにさ。そんで今は飛び降りれないように柵してあんのよ」

「マジかよ、こんなとっから飛び降りたら死ぬべ」

そりゃ12m近くって言ったら4階建てのビルから落ちるのと一緒だが死ぬのは10〜20%の確率で、他は飛び降りた瞬間は生存するらしいが後の生活考えると得策では無いな

「飛び降りた時点では生存してる確率高いってよ、だからといって飛びたくはねーけどな!ただここからの景色めっちゃ綺麗なんだぜ、今なら紅葉とか…」

「へぇー、その話聞いた後じゃ複雑だぜ」

「まぁまぁ伊藤ちゃん待ってるし行こうよ、ね?三ちゃん」

面倒くさいとダラける三橋の背を押しながら伊藤くんの隣に着くと、赤坂さんは綺麗だと景色に見惚れていた

「綺麗ねぇ」

「うへー結構高いな…」

しっかりと手摺りを持つ三橋は前屈みになり下を覗き込む、あんまりにも前に屈むので滑って落ちないかこっちがヒヤヒヤするぜ。

「A見ろよ、あんなに人がちっせぇぞ」

「そりゃ登ってきた分と合わせればそれなりに高いからな…」

思い出したように折角持ってきたカメラをケースから取り出し、ファインダーを覗き込む
良い感じの景色を収めてシャッターきった。カレンダーとかに有りそう
きょろっと見回すと、笑顔で遠くの風景を見ている三橋がレンズ越しに見えた

(…綺麗だな)

黙ってれば美形なんだよな、なんて考えていると無意識のうちにシャッターを切っていたらしくパシャっという音が鳴る

「?何してんだよ」

「いや、別に…」

「あっそ、変な奴」

むけていたカメラを慌てて逸らし誤魔化したのでバレていないらしい。
…なんで撮ったんだろ、でも綺麗だったし

現像した時にどうするかは考えようと、カメラをケースにしまっていると辺りを歩いていた赤坂さんが何かを見つけたらしく駆け寄って来る

「私おみくじ引いてくるワ!」

「俺も!」

つられて行った伊藤くんに向かって金の無駄だと叫んだ三橋だったが無視されてしまった。

「俺らも引く?」

「金ねーんだよ」

「出したるわ、そんくらい」

楽しまなきゃ損だしな

79その1→←77- 清水の舞台編



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作成日時:2019年10月4日 23時

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