６８その２ ページ33
ドタバタと煩い足音の後扉が破壊されたんじゃないかと思うほどの叩きつける音が鳴る
「どぅふ、なんすか佐々木先生！今はわ、私が生徒の出席取ってる時間です」
突っかかった椋木を払いのけ存在を無視し、後方座席を睨む佐々木はお目当の生徒を見つけ怒りを露わにする
「伊藤、三橋！貴様らどっから入った！」
ニヤリと笑った2人は佐々木をおちょくる様に話し出す
「何処って決まってんじゃないすか」
「正面の門からっすよー」
良くやるよな、本当
ズカズカと2人へ歩み寄る佐々木は今にも竹刀を折る勢いで握っている。近づくのはいいが俺の隣でやるなよ
「巫山戯よって…制服はどうした！」
「お婆さんが溝にはまって困ってたんで、つい」
「そしたら汚れちゃってー」
「いやー褒めないでください！当然のことをしたまでっすから、ね？イトーくん」
「そーね、ははははは」
「…じゃあこの頭はなんだ！」
笑う2人の頭を鷲掴み無理やり持ち上げる佐々木
流石に痛かったのか2人とも顔を歪めた
「こんな髪型を許した覚えはないぞ！」
掴んだままユラユラ揺らす、明らかに2人を挑発しているその仕草は本当に腹立たしい。
佐々木の腕を振り解こうと掴んだ三橋は思いっきり佐々木を睨んだ
「お？なんだこの手は、え？」
「ッ野郎…」
「なんだそのツラァ文句あんのか！教師に楯突こうってのかよ三橋ィ」
流石に周りの奴らもざわつき出した
睨み合う2人の空気に飲まれその場に緊張が走る
「ﾊｯ元々凶悪なツラしてるもんでね…勘弁してくっさいよ」
完全にキレてる顔してるのに手は出さず耐えきった
ゆっくりと掴んでいた手を離し降参の意を示している
マジかよあの三橋が、なんてまた騒つく教室内で1人高笑いした佐々木は張り合いのねー餓鬼だと言って竹刀で殴ってから出口へと向かう
「あぁそうだ、そんな髪してるうちは修学旅行連れてかねーからな！この2人だけじゃないぞ、違反する者全員だ！光橋、例外なんてないからな」
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作成日時：2019年10月4日 23時
