68その1 ページ32
教室へ向かうと急いで着替えている2人
自分たちの制服を教室の色んな場所に隠しているところだった
「オメーら制服隠す前に自分を隠せよー」
特に注意されない俺は余裕で席に着き慌てている2人をみて笑って過ごす。たまに女の子にA君引っかからなかったのー?と聞かれたがちゃんと先生の前を通ったことを伝えたり話しているとチョンチョンと肩を突かれた
「ねぇねぇAちゃん」
「何」
「ジャージ貸して?」
忘れちゃった、と顔の横で手を組みお願いする三橋
なーんか断れないんだよな。
横にかけてあった体操服の入った袋からジャージの上下を取り出して渡すと満面の笑みで去っていく
「…?」
胸のあたりに違和感を感じて触ってみたが特になにもない。不整脈か!
1人悶々としていると着替え終えた2人がどうやって誤魔化すかと会議を始めたようだ。
「忘れたことにしよう」
「馬鹿、それじゃあ俺ら全裸で登校したことになんだろ」
「困ってる婆さん助けたことにすりゃいいじゃん」
「「それだ」」
「大体椋木ならなんとかなんべ」
作戦会議を終えた丁度その時チャイムの音と共に噂の椋木がずり落ちるズボンを直しながら教室へと入ってきた。
「なんだなんだ、光橋が朝からいるなんて珍しいじゃん?あれかな、やっぱりいつも意地はっててもイベント事には参加したい的な?」
「黙ってもらっていいっすか」
「怖、ちょー怖!…はぁい出席とりまーす、安藤〜」
あ行多いんだよなぁ、真面目に朝から登校するのは両手で数えられる程度だからあんまり把握してねーけど
そうそう、俺が知らない間に席替えしていたらしく座席が伊藤くん三橋俺が近くになっていた。前は伊藤くんだけ離れてたからね、やったねタエちゃん友達の近くだよ
…まぁ俺の座席は窓際の一個隣だったのが窓際の列に動いただけなんだけどな。
おかげで窓の外が見放題よ
外では丁度佐々木が坂本先生(眼鏡で気が弱い)に声をかけられ怒鳴り返しているところで直ぐに坂本先生は気絶した、相変わらず弱虫だ
観察していると上を見た佐々木と目が合う、やべーめっちゃ怒ってんよ
走って校舎へと入っていく佐々木を最後まで見届け、今日は後ろに固まって座っている2人へと振り返る
「佐々木来るわ」
「ゲェ…」
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作成日時:2019年10月4日 23時