もう1人のミツハシくん -その２-【今日から俺は!!】 (ページ19)

今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:66,274 hit

５７その１ページ19

「ダァー！A負けろ！」

「やだねー、俺が夜中にどんだけゲームしてっと思ってんだヨ」

遅刻の原因なんてもっぱらゲームのしすぎで寝坊、だ。ピコピコと素早くボタンを押し三橋の邪魔をしながらゴールするなんてのは簡単だ
レースゲームは得意中の得意、やり慣れていない男に負けるほど俺も甘くはない

「くそォー」

「修行が足りんな」

高笑いしながら落ち込む三橋を得意げに眺めいていると、コンコンと音がなりお母様が和夫くんを連れてやってきた
頼みますね、と言い残し去っていったお母様を見送り、さてここからが正念場だと身構える
どう転んでも彼に良いことは起こらないだろう

「あの…本当に強くなれるんですか？」

「ったりめーだろ、なんたってこのミツハシ様が直々に教えてやるんだからな」

そこが不安要素なんだよ、言いたいのをぐっと堪え強いのは本当だということを伝えた。
多少俺は信頼されているらしく素直に頷く和夫くんに若干罪悪感が湧くが、三橋なりに真剣に考えたようなので一度試させてあげたいというのも本心だった。

「まずその弱虫を治すシツヨーがある」

「必要ね」

例のものを出せと言われて渋々出すと、嬉々として庭の木に括りつけ始める。
紐にたくさんの木材が括られたそれをぶら下げ揺らし、それを躱すことで瞬発力を鍛えるとかなんとか。
所詮は漫画で見た知識なので現実味はない

俺もあんなのやったことねーわ