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大分三橋に引いている和夫くんは早くこの時間が終われとばかりに俯いて答えた。
ヨワムシだからってやっていい事と悪いことがあると思うけどね、そもそもイジメに正当な理由なんて存在しないし
そんなふうに考えているといきなり三橋が和夫くんを殴った
殴られた頬を抑え大号泣する和夫くんをみて三橋はビックリしたように本当に弱虫だと呟く
馬鹿なの？
「なんて酷い弱虫っぷりだ」
「イキナリ殴ったら誰だって泣くわ！」
止めに入った伊藤くんの頬を殴りつけ、お前は泣かないじゃないか！と生き生きと語る三橋
さすが伊藤だと褒められ得意げになっている伊藤くんに若干呆れてしまう
あの馬鹿2人は放っておこう
「和夫くんこっちおいで、俺湿布持ってるよ」
「うわーーーん！」
「甘やかすなA！てめーは弱虫なんだ！ヨワムシヨワムシ、自覚しろヨワムシ！」
「お前がイジメてどーすんだよ」
和夫くんを背に隠すよう前に立つと、三橋は牙を向いて怒る。ヨワムシは自覚しなきゃダメなんだと
「あのね、誰でも三橋みたいに強いわけじゃねーのよ。その人にはその人の長所があんの」
「じゃあ其奴のチョーショを言ってみろ！」
「…それはまだ知らん」
「ほらみろ！ヨワムシだからねーんだ、このミツハシ様がちゃんと強い男にしてやる」
プランを練るからと走って帰った三橋に伊藤くんが大きなため息をつく
和夫くんは完全に怯えているようで顔面蒼白という風になっていた
「…まさかこんな事になるなんて」
なんかごめん、心の中で謝りながら豪邸を後にするのだった
─翌日、学校に着くなり首根っこを掴まれズルズルと引き摺られる
また欠席が着くのかと思いながら首をつかむ手を剥がした
「何すんだよー、俺1限の出席ヤバいんだヨ」
「遅刻すっからだろ、伊藤ん家いくべ」
「こんな朝から？」
「じゃねーとあのバカッパ邪魔しやがるだろ」
ふっと不敵な笑みを浮かべ、鞄からガサゴソと取り出したのはA4のレポート用紙
綺麗とは言えない字で書かれているのは漫画で見たような修行方法だ
「ナニコレ」
「これであのガキを強い男に鍛えあげる」
だから手伝え、と引き摺られあっという間についてしまった伊藤邸
ブザーを押すとお母様が待っていだとばかりに扉を開き招き入れられる
「和夫くんはまだ学校なのよ、ごめんなさいね」
「そーなんですか」
ゲームでもして待っていてね、と居間に案内されると、中にはでかいテレビとファミコン
「……あんまり厳しくしてやるなよ」
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作成日時：2019年10月4日 23時
