６. ページ9
昼休み、テキトーに時間を潰そうと屋上に来たのはいいが…
俺と横に座る金髪を交互に見て慌てているツンツン頭と目がバッチリとあった
口パクで何か言ってるがぜんっぜんわからん
「ここアンタらの特等席？」
近づくと嫌そうな顔された
…あぁ、隣の金髪が俺ともめ始めるのが嫌だったんだな、と気がついた時には遅く俺の声に反応した金髪が首をグルリと回転させこちらをみる
それ首大丈夫か？
目をキッと釣り上げ睨まれ、犬の威嚇みたいな声を出している。獣だなぁ
「さっきは悪かった」
「許さん！」
「詫びにパン買ってきたんだけど…いらねぇよな」
チラッと見せた購買部の袋はいつの間にか手から消えていた。恐ろしく早い動き、俺でも見逃したね
「そんな焦って食わなくても取りゃしねーよ」
もぐもぐと口いっぱいにパンを含む姿はまるでリスだ
俺のことを信用していないらしく、近くに腰掛けると袋を取られないように隠した
ジャングルで育てられたのかな
「なんで屋上に来たの？」
ツンツン頭が不思議そうに聞いてくる
なんでかなァ…
「暇だったから」
「あぁ…」
何故か呆れられた
そんな感じでダラ〜っとしているとパンを食い終わった金髪がムスッとした顔で前に立ちはだかる
「パンもうねぇぞ」
「ちげーヨ！バーカ！」
「んだとコラ」
「喧嘩してばっかだと話しできねーぞ」
ツンツン頭は頭に反して冷静に状況を見れるのね
どうどうと金髪を宥めているツンツン頭を眺めながら缶コーヒーを飲む
やっぱブラックがいいよな
「おいパクリ野郎」
「だからパクってねーわ、そもそも何のパクリなんだよ」
「どう考えても俺のパクリだろ！」
「どの辺が」
「まず美形」
「…うん？」
「そして目立つ髪！」
「金髪の方が目立ってるけどな」
「最後！これが一番重要だ…
苗字が被ってんだよ！」
「……………んん？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2019年9月7日 1時
