３５. ページ44
「みっけ」
あれから結構探し回ったが、無事に公園へ向かう2人を見つけた。
俺達はバレないようにコソコソと今井くん達を尾行する。たまに電柱の陰に隠れたりしながら
「三橋ぃどうする？」
「よし、俺の後に続けヨ」
そう言い残して木陰から飛び出した三橋は2人の前にいきなり現れ、キメ顔をしながらバク転をした。
明美ちゃんはキラキラした顔で拍手している
よし、やるか
バク転よりインパクトがある事、そう思いバク宙を2回くらいしながら三橋の横に立った。ポーズもちゃんとキメる
隣でビーバーのような顔をしている三橋を放置して明美ちゃんに笑いかけると歓声を上げてくれた
可愛い
「悪い事は言わない、今井くんはやめときな？」
「おい！今朝は協力してくれていたじゃないか！」
「ばっか！こんな可愛い子なら協力しないわ！」
「そうだぜ明美ちゃん、君にはもっとちゃんとした男と付き合ってほしいんだ」
「なんだ2人揃って！明美ちゃんのこと好きなのかよ！」
「三橋さん…」
「あ、俺はAだよ！ヨロシクね」
「Aさんっすね！2人ともバク転とかバク宙出来てすごいなぁ…」
そう言った明美ちゃんは確実に俺たちのことを恰好いいと思っているだろう。なんかそんな顔してる気がするもの。
逆に横の今井くんは焦り百面相状態だ
すると突然今井くんはでんぐり返りをした。
「今井のでんぐり返り決まったァ！」
「お、おぉ…！」
明美ちゃん困惑しながらも今井くんのことを褒めてあげている。優しい子だな
「明美ちゃん可愛い…」
「ぐぬぬぬぬ」
怒った三橋が今井くんに何か詰め寄ったが、急に目を開け臭い臭いと騒ぎ出した。
どうやら捨てられていたウンコが背中にべっとりついたらしい。
ウンコマンくさいまい、と歌いながら騒ぐ三橋と何故か乗せられている今井くん。こっちにまで臭いが漂ってきた、ウンコって潰れると余計に臭くなるんだよな
「おええ…くっさ」
フォローのためにと焦った今井くんは明美ちゃんにウンコを見せて、何か言っていた。
明美ちゃんはウンコの臭いに一瞬叫んだがすぐに今井くんのフォローをした
敵わない、その文字が頭を掠める
今の2人には俺達嫉妬に狂った男は敵わない…
悔しいが仲よさそうな二人はお似合いの気がする…気のせいだろうけどな
今にも飛び掛かりそうな三橋を捕まえてその場を後にするのだった
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作成日時：2019年9月7日 1時
