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12. ページ15

「ただいま、爺ちゃん」

茶店でダラダラと下らない話をしていたら意外にも話が弾み帰宅が遅くになってしまった

「おかえり、晩飯は何かテキトーに捌いとくれ」

ほら、と指差した先にあるのはクーラーボックス
嫌な予感しかしねぇな

開けると中には隙間なくギッチギチに詰まった魚達
ここまでいっぱいだと可哀相だろ…

「爺ちゃん前から言ってるやろ?こんないっぱい釣るんやったらもう一個持っていけよ」

「今日はそんなに釣るつもりなかったからのぅ」

このボケじじいめ、内心悪態を吐く。口に出して言ったりしたらまたトラックの荷台に乗せられて夜通し走り回るんだろうな…

視線を魚に戻し、食える物を確認する
多少毒を持った奴がいたがそれを抜いても、問題ないだろう。この量なら刺身にして食っても腹一杯になる
…2人で消費できるかが問題だな

何匹かはカラアゲにして弁当に詰めるしかねぇなァ

エプロンをつけ、明日の朝飯と弁当の献立を考えつつ魚を捌く
趣味が釣りである俺は小さい頃から爺ちゃんが捌いているとこを見てきたから慣れたもんだ。

数種類の魚をテキトーに並べて刺身は完成、あとは…

「爺ちゃん真鯛焼いていいー?」

「好きにせぃ」

オリーブ油をフライパンにしき、ニンニクとアサリ、真鯛をゆっくりと焼く。
裏返したら白ワインを加えて蒸し、真鯛をお皿に写し残り汁で野菜を弱火で蒸せば…
真鯛のアクアパッツァの完成だ

「ほら、出来たよ。机片して」

2人分の飯を机に並べ、2人で食べる
テレビとか無いから静かだ

「A、友達できたか?」

「……まぁあれが友達かは分からんけど知り合い程度?はできたよ」

「そうかそうか、よかったのぅ」

嬉しそうに笑って言う爺さん

あぁ、心配掛けてたんだな

前の学校じゃ孤立してた、それを親から聞いていたのか…余計なお世話だ

でも

「楽しかったかも…うん」

久しぶりに学校に行くのが楽しみに感じている

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作成日時:2019年9月7日 1時

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