粟田口の新しい短刀が来たら僕の扱いが雑になった件について【刀剣乱舞】

14話 ページ15

貴方サイド

なんか、良い夢を見た気がする……

一期が、凄く優しくしてくれる夢。

いつも不機嫌で冷たくて、笑顔なんて見せてくれない。

そんな現実に帰りたくない。

まだ優しい一期で居て。僕を否定しないで。

でも、夢はいつか覚めてしまうもので……

目を開けると、粟田口部屋に居た。

「あ、主さん起きたー！」

「すごく幸せそうな顔をしてたが、良い夢でも見たのか？」

「どんな夢を見たんですか？主君！」

「教えてください！」

キラキラとした目で見つめる粟田口の短刀達に囲まれる。

「待って。僕なんで粟田口部屋に居るの？」

「いち兄が運んだんですよ」

一期が……？

「主君、倒れたと聞きましたが、お加減は如何ですか？」

前田に聞かれ、笑顔を浮かべる。

「ん、大丈夫だよ」

そう言うと安堵の溜息をはく皆。

心配してくれてたんだ……

いや、僕が倒れたらこの本丸は別の審神者が引き継ぐ形になるから、

皆不安なんだ。これ以上新しい人間は受け入れられないから。

「迷惑かけてごめんね。僕もう行くから」

「えっ、大将……」

薬研の言葉を最後まで聞かず、部屋を出る。

僕ってメンタル弱いのかなぁ……

昔はそうでもなかったんだけど。

角を曲がると、獅子王と出会う。

思わず身構えると、腕を掴まれ何処かに連れて行かれる。

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