【刀剣乱舞】子供の自分に嫉妬した【鶴丸国永】 (ページ4)

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4話ページ4

貴方サイド

次の日から鶴丸は小さい僕のお世話をする様になった。

最初は上手く出来るか心配で見守って居たけど意外にもしっかりとやっていた。

短刀達も手伝ってくれたのが要因の一つかもしれない。

何はともあれあの子がこの本丸で不自由なく過ごせるならそれで良い。

と思っていたはずなのだけど……

(一週間も話せないとは思わなかった)

ここ数日、鶴丸は小さい僕に付きっきりで、僕は放置状態だ。

いや、仕方がないのは分かってる。ただ自分が狭量過ぎて若干引いてるだけで。

嫉妬したって可笑しいだけ。鶴丸は主の命令を遂行してるだけなんだから。

そう思っても矢張り落ち込んだりはする。

彼女が本丸に来る前は鶴丸と常に一緒だったのに。

縁側でぼーっと空を眺めていると主が通り掛かった。

「あれ？Aがこんな時間に居るなんて珍しいな？」

主がそう言うのも無理はない。今は深夜で他の刀剣達は殆ど眠っている時間だ。

「うん。ちょっと眠れなくて。外の空気でも吸えば少しはマシになるかと思ったんだけど」

そう話す僕の隣に主は腰を下ろし同じく空を見上げる。

「わあっ。月が綺麗だな」

「雲も無くて良く映えてるだろ？あの月を見ていると悩みなんて吹き飛んでいくよ」

僕がそう言うと主は目を瞬かせる。

「悩みがあるの？俺で良ければ聞くよ？」

そう言ってくれる心優しい主の提案に黙って首を振った。

「大丈夫。些細な事だから、直ぐに解決するよ」

笑顔を向けると主も満面の笑みを返してくれる。

「そう？でも無理はしないでね。何時でも相談に乗るから」

主の手が伸び、僕の頭を優しく撫でてくれた。

彼の温もりが伝わって無意識のうちに目を細める。

誰かと触れ合うなんて滅多にない。だからこそ、今この瞬間を味わっておこう。