【刀剣乱舞】子供の自分に嫉妬した【鶴丸国永】 (ページ3)

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3話ページ3

貴方サイド

小さい僕の手を引きながら、大広間の前まで来る。

彼女はかなり緊張して居るのか、若干手を握る力が強い。

「心配しなくても大丈夫だよ。入ろうか」

そう彼女を促し、彼女は意を決して大広間の襖を開ける。

大広間には、興味津々といった刀剣達が視線を寄越す。

「あ、来たね！皆、二振り目だけど、Aに色々教えてあげて」

主がそう言うと、先ず短刀が我先にと小さい僕の周りに集まった。

「わぁ、可愛い！」

乱に容姿を褒められ、彼女は照れ笑いをする。

「小さい頃のAさんは、髪が長かったんですね」

僕と小さい僕を交互に見ながら五虎退が言った。

すると、小さい僕に近付く影が見えた。

若しかして……

次の瞬間、「わっ！！」という大きい声に驚いたのか、彼女は肩を揺らした。

そして、その瞳に大粒の涙を溜め始めた。

僕はその様子に呆れて驚かせた張本人を見やる。

「ああ！？鶴丸さんが小さいAを泣かした！」

乱がそう叫び、やらかした鶴丸は慌てて小さい僕に駆け寄る。

「す、済まない！泣かすつもりは……」

そう弁明する鶴丸の後ろで、主が殺気立って居るのが見えた。

ああ、そう言えば主は子供が好きだったな。

なんて考えている内に、主はゆっくりと鶴丸に近付く。

「鶴さん……」

主の低い声を間近で聞いた鶴丸は、表情を強張らせた。

「あ、主！？いや、違うんだこれは……」

「言い訳無用！小さい子供を泣かすんじゃないっ！」

と、主は怒鳴り、説教を始めた。

「そもそも毎回新しい刀剣が来れば毎度の様に相手を驚かせるのはやめてって何回も言ったよね？」

主の説教は長い。長谷部よりも。

しかも何処でも説教が出来る。

「罰として、鶴さんには小さいAが成長するまで面倒を見てもらうよ」

主よ、果たしてそれは罰なのか。

思わずそう想ってしまう。

だって、鶴丸の目がキラキラと輝いていたから。