【刀剣乱舞】子供の自分に嫉妬した【鶴丸国永】 (ページ2)

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2話ページ2

貴方サイド

鍛刀部屋に着くと、主は刀を刀匠に渡した。

刀匠は刀を受け取り、顕現する準備を始める。

主は台の上に置かれた刀に力を込めた。

次の瞬間、ぶわっと桜の花弁が舞った。

目も開けられない程の強さの中、ぼんやりと人影が見える。

軈て桜吹雪は止み、辺りを見回すと、幼い人が立って居た。

だが、その人を見た途端、主の口から驚嘆の声が漏れる。

「え……」

不思議に思って立っている刀剣を見た。

思わず口をあんぐりと開ける。

「おや……これは……」

隣で石切丸も言葉を失っている。

僕らが何も言えないで居ると、その子は口を開いた。

「ぼくは神無月Aです。よろしくお願いします」

そう言って頭を下げた。

その姿を見て、主も慌てて自己紹介を始めた。

「あ、俺は新たな君の主だよ。よろしくね、A」

小さい僕は顔を上げ、僕を見ると不思議そうにした。

「ぼく……ですか」

その声が悲しそうなのに気付いた主は優しげな笑みを浮かべる。

「A。皆に君の事を紹介するから、大広間に行こうか」

主にそう言われ、小さい僕はかなり戸惑って居る。

「え、でもぼくは……」

次に言う言葉を主は察したのか、頭を撫でた。

「この本丸では、二番とか関係無いんだよ。だから大丈夫だよ」

小さい僕は、少しだけ笑顔を見せた。

僕は彼女の目線に合わせてしゃがんだ。

「僕は君だよ。よろしくね」

そう言うと、彼女はこくんと頷いた。

「よろしくお願いします」

僕は笑って小さい僕の手を握る。

「僕が大広間まで案内するよ。良いかい、主？」

主に聞くと、主は快く了承した。

「うん、お願いするよ。石切丸、他の刀剣を大広間に集めてくれないか？」

石切丸は分かったと言い、鍛刀部屋から出て行った。

僕も彼女を連れて大広間に向かった。