刀剣乱舞短編集！！

薬研藤四郎 ページ10

貴方サイド

「国綱！」

「ん？どうした？」

「聞いてよ、薬研主と口吸いしてたんだよ！？

信じらんない！」

屋根の上で彼氏の愚痴をその兄に溢す。

「弟が迷惑かけてるな」

国綱は申し訳なさそうに眉を下げる。

「……薬研さ、最近主に過保護すぎるんだよ。

確かに主は身体は弱いけどさ……」

少しは僕にも構って欲しい。

部屋に戻る為廊下を歩く。

部屋の前に着くと国綱に抱き寄せられる。

「……ならさ、俺にしないか？」

「え……？」

「俺だったら、Aを幸せにできるし、傷つけたりもしない！」

「国綱……」

「お二人さん、何してんだ？」

声のする方を見ると薬研が立っていた。

「薬研……！？」

「邪魔すんなよ、今いい所なのに」

「国綱兄、Aは俺のだ。

手ェ出しなさんな」

「……またな、A」

国綱は僕の頬に口付けを落として行ってしまった。

すると薬研に腕を掴まれ部屋に入り押し倒される。

「……」

無言のまま口吸いされる。

でも、その口吸いは温かみが無く、冷たかった。

「やっ……げん……！」

「本当、アンタは人を煽るのが上手いな……！」

ギロリと睨まれひっ、と情けない声が出る。

どうしよう…薬研がすごく怒ってる……

「……国綱ッ」

口から国綱の名が出た。

「へえ、国綱兄の方が良いのか？」

足と足の間に入れられた薬研の足の膝が僕のアソコをグリグリする。

「ふあっ……」

「なんで国綱兄なんだよ！俺の何が足りない！？」

「薬研……やめて……」

「答えろよ！」

いつもの薬研じゃない……！

「薬研……！僕……！」

すると首を絞められる。

「ぐっ！？」

「国綱兄を選ぶなら……殺して俺のモノにすればいい！」

誰か……助けて……

国綱……！

「なんだよ、まだ国綱兄の事考えてるのか？

最期くらい、俺を見てくれよ……ッ！」

ポロポロと目から大粒の涙を流す薬研。

僕は目を見開く。

僕は薬研に口付けする。

「……！」

「薬研、僕は薬研の事が好き。

国綱とは、何も無いよ。

国綱は僕を慰めてただけ」

そしてまた薬研に口付ける。

「愛してるよ、薬研」

「A……ごめんな……！」

薬研は僕を抱きしめる。

「大丈夫。僕は薬研のモノだよ」

そう言いもう一度口付けを交わした。

-fin-

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