明石国行 闇夜さんリク ページ38
貴方サイド
「A、不機嫌なの？」
ふいに乱が聞いてきた。
「どうして？」
「Aの周りの殺気がすごいから」
「ああ。ちょっとね」
僕は乱に笑いかける。
そして立ち上がり、
「僕主のところに行くから」
と告げる。
「うん。また後でね！」
手を振る乱に振り返す。
「主。少し良いかい？」
「いいよ。どうしたの？」
優しく微笑みかける主。
「ねえ。いつになったらあの見習い、出て行くの？」
「またその話？後三日はかかると言ったでしょ」
ズズッとお茶をすすりながら言う主。
「そもそもさあ、見習いは別に悪い子じゃないでしょ」
「知ってるよ。だからこそ、心配なんだよ」
僕は縁側の方を見やる。
そこには、顔を赤らめた見習いと、楽しそうな顔の彼氏。
ああいう無知な人だからこそ、恋愛に疎い。
そして、優しくされるとコロッと好きになってしまうんだ。
あの様子じゃあ、僕と明石が恋仲であることに気付いてなさそうだし。
まあ、無理もないか。僕達全然恋人のような事してないし。
僕は深いため息を吐き、主の膝に座る。
「甘えん坊だったっけ？」
「彼氏不足」
「僕を利用しないでよ」
「利用？主を利用するわけないでしょ」
そう言って主を見上げる。
「……ん？」
「どうしたの？」
「主からいい匂いがする」
僕はそう言って鼻を動かす。
「ああ。さっき乱と一緒に万屋に行ったとき、
乱が香水を選んでくれてね。それを付けたからかな……？」
「へえ。やっぱり乱はセンスがいいね」
僕は主の首元に顔を近づける。
「ちょ、くすぐったいよ」
「もう少し……」
「何してるん？」
低い声がし、振り返ると明石が立っていた。
「A。何してるん？」
「あのね、主すごくいい匂いがするんだ」
「確かに、主はんからええ匂いするなぁ」
「でしょ？それに僕好みの匂いだし♪」
すると明石はチラッと主を見て、
「A、借りてもよろしゅうっすか？」
「借りるも何も、君の彼女でしょ。どうぞご自由に」
主がそう言うと、明石は僕の腕を掴み、部屋に連れて行った。
「明石。何？」
「……主はんの方がええの？」
「はぁ？何それ。もしかして嫉妬？」
「そうだと言ったら？」
「ごめんごめん。意地の悪い事をしたよ」
「今回は許すが、次やったら承知しないで？」
-fin-
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望月海(プロフ) - 蒼月さん» そこらへんの判断は他の小説とかに影響されました。宗三は小夜にシスコンと言う方達が多いので、そうなのかな……と。態々はコメントありがとうございました。 (2017年4月21日 18時) (
レス) id: 546fdd6d80 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 望月海さん» ええと、調べてきたのですが女姉妹に対して強い愛着・終着を持つ状況のことをシスコンと言うそうです！なのでお小夜に対してなのでブラコンでは…とも思ったんです！ (2017年4月21日 0時) (レス) id: 7c6279f5c3 (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - 蒼月さん» 返信遅れてすみません。いえ、間違ってないです。兄が弟や妹に対してシスコン、弟や妹が兄や姉に対してブラコンです。 (2017年4月20日 23時) (レス) id: 546fdd6d80 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - えぇと、宗三左文字の短編集で、シスコンと言っているのですが、弟にたいする愛なのでブラコンですよ！ (2017年4月9日 2時) (レス) id: 5adb663dac (このIDを非表示/違反報告)
Kurono:mua(プロフ) - 三日月宗近の中で最初の短編、手を固定されてるのにどうやって胸を叩くんですか、？足？ (2016年8月15日 3時) (レス) id: cb545fef8b (このIDを非表示/違反報告)
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