09.年相応の表情 ページ10
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お値段が可愛くなくて買うのを断念した
あのヘアアクセサリーが入っていた
『セアがわたしに？！』
WN「そう、」
ふっと笑うウォヌとやっと目が合った
いつもきっちりしている彼の年相応の表情に
わたしもつられて笑顔が溢れる
でも…と値段のことを思い出して
貰うのを渋っているわたしに
WN「じゃあ、俺からってことならもらってくれる？」
『いやいやいやいや、
誰からでも貰えないしセアに返してくるよ』
せっかくセアからの贈り物だけど
こんな高価なものをもらうのは…
WN「お嬢さまがサプライズで
俺に預けてくださったのにそれを無下にするの？」
『え、いや、そういうことじゃなくて
じゃあせめてセアにお返ししないとね』
セアにカトクを打とうとすると
画面を覆うウォヌの手によって阻止された
訳がわからないとウォヌを見ると
俯き加減に視線を逸らされた
「お嬢さまを口実に使うなんて…」
とかなんとかぼそぼそと
ウォヌから言葉が溢れているけれど上手く聞き取れない
『ウォヌ？』
声をかけて肩に触れようとしたところで
学校の最寄りまでいつの間にか来ていたようで
ふたりして慌ててバスから降りた
『危なかった〜バス停１つ分無駄に歩くとこだったね』
WN「俺はそれでも良かったけどね？
あと、それお嬢さまが…って言ったけど
本当は俺がAに似合うと思って買ったから貰って」
『え、？……ええ？！！なに？どういうこと？』
本当にさらっと
なんかすごい発言をしたウォヌは
「急がないと遅刻するから先に行くよ」と
わたしの反応に満足したのか
軽い足取りで１年生の教室へ向かっていった
しばらくその場で動けずにいると
SA「Aおはよう！」
ガラス細工のように透き通った繊細な声が聞こえて
振り返ると綺麗に整えられた前髪を触りながら
照れくさそうにこちらに手を振っていた
大きな丸い眼鏡の奥ではきらきらと
アーモンド形の目が輝いていて可愛いの擬人化が止まらない
『セアおはよう！今日も可愛い！！』
朝の挨拶という美味しい口実で
後ろを歩く男たちに見せつけるように
セアをぎゅうぎゅうと抱き締めた
普段わたしには不機嫌を隠さずに
全面に出している彼らは
顔も良ければ器量も良い
表に出れば愛想も良いので
それはそれは人気がある
羨望の眼差しを向ける男子たちや
熱い視線を送る女子たち、様々だ
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よる - コメント失礼します！冒頭からこんなに面白くて引き込まれる作品は久しぶりです！更新楽しみにしてます！ (3月6日 12時) (
レス) id: 6320421e04 (このIDを非表示/違反報告)
おきょん(プロフ) - コメント失礼します！まだ9ページまでしか読んでないのに面白いのでお気に入りにいれさせていただきました！執事系大好きなので嬉しいです！更新楽しみにしてます！！ (9月26日 23時) (レス) id: c8cd884924 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春 | 作成日時：2023年9月19日 22時
