【SVT】アイドル恋愛禁止【HS】

鬼PDはやっぱり鬼PD ページ37

WZ「ーーやり直し。もうちょっと力込めて」


「はい」


WZ「ーーもう一回。発音が良くない」


「はい、」


WZ「ーー違う。それじゃ、さっきと同じ」


「はい...」


WZ「ーーそこはもっと優しめに」


「...はい」





ーーレコーディングが始まり、緊張感が伝わるこの空間に響くのは、この短期間で制作されたとは思えない程の素敵な楽曲__

そして、「ダメ」という言葉__



さっきからその繰り返し。

分かってる。自分がダメな事くらい。
だけど、何度もダメと言われるとだんだん心が折れてくるのも事実で。


レコーディングにはジフンくん以外にも、オンニや、数人のスタッフさんも居る。


何度もダメ出しを食らうのが恥ずかしくなって
歌う気も失せてくる。



気を遣って「休憩しよう」と言われたことにも腹が立って、悔しくて堪らない。



「大丈夫、まだ続けられるよ」


WZ「いや、休憩したほうがいい」


「大丈夫だって、」

WZ「今のままじゃ、歌は出せない。」


「..........」


M「...A、少し外の空気でも吸ってきたら？」


WZ「今の感じだと今日中には終わらないし、改善点が多すぎる。もっとボイトレしとくべきだったな...


Aも自分で分かってるだろ？」



最後、一応の付け合わせレベルで、
「初めてだもんな、ごめん。」なんて言われる。





.





ーーこんなに惨めに感じたのは久々だ。

昔に、スニョンと比べられた時以来__



初めてって分かってんなら、なんできついこと言うの？
私はジフンくん達みたいに最初から上手くいくような器用な女じゃないよ。





ジフンくんが悪いんじゃない。
実力が足りてない私のせい。

だからこそ謝られると涙が込み上げてくる__





.





ただ恥を晒しただけの私は、
その場を立ち去ることしかできなかった。





.





ーー私ってほんとに無力だなぁ__





.





.





？「ーー 여보세요(ヨボセヨ)？」

高ぶる感情→←羞恥心を捨てて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す