作戦2 ページ4
「では、お嬢。学院に着きましたんで、お手をどうぞ？」
『ええ、いつもありがとうね。帰りもよろしく頼むわ…ね……？……』
そう言って車から先に降りた鬱の手にAの手をのせる。もちろん、お嬢様な訳なので車通学なのである。
『って、、そうじゃなくってよ！？』
「うえぇ！？……びっくりしましたて！お嬢！そんな大声急に出さんといて貰えます？」
『私、寄り道がしたいのですわ！【ドキ恋】でも寄り道のシーンは割と憧れなんですのよ！？』
『帰りは歩いて帰りたいですわ！』
「急にそんな無茶な……第一、おじき達が許しませんて」
『それでも、寄り道したいんです……。大切に育てられているのは分かっていますわ。でも、未知の世界を見たいんです……。夢を見たいんです……。』
「うっ、！今すぐは流石に無理なんで、今日帰ってからでも、おじき達に交渉します？僕も一緒にお願いするんで」
鬱はAのしょげている姿を見て、居た堪れなくなり、ついつい自分の首を締め上げることを言ってしまう。
お嬢がそれを狙っていたと知らずに
『本当に！？ありがとう！鬱、さすが私の専属護衛、よく決断してくださりましてよ！』
気づくのが遅かった。鬱は、嵌められたと、痛感しながら珍しくはしゃぐAを眺めていた。
長い黒髪をなびかせながら、花が
その姿を堪能した頃には、「まあ、いいか」と思っている鬱であった。結局は彼も彼女に甘いのだ。
『うふふ、すごく楽しみだわ！今日はいつも以上に頑張りますわ！』
「もー、あんまはしゃぎ過ぎんといてくださいよ？まだ交渉するだけで決まった訳じゃないんですから」
『わかってるわ、それでもありがとう！鬱のそういうところがとっても好きよ』
「…………それは、どうも。」
『じゃあ、行ってくるわ！』
「行ってらっしゃいませ、お嬢。」
これで
何も知らない者が見たら、にやにやが隠しきれない美少女が今にもスキップしそうな勢いで歩いているのだから、それはそれは一種の恐怖光景といっても過言ではなかったとかなんとか。
作戦2下校時の寄り道→保留
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作者名：留守ぴな | 作成日時：2021年4月29日 22時
