めせもあ。短編集 (ページ22)

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熱く甘いキスを5題-白服-3 ページ22

「……今日みたいな時は嘘つかないで、正直に俺に言って？」
そういう彼の顔は不安そうで…。

「……俺の事、好きじゃなくなったのかと思って…怖かった。」

すぐにでも、泣きそうで…。

そっと彼の頬に触れる。
目尻に少し溜まった涙を親指で拭って、彼のおでこと自分のおでこをくっつけ、目を合わせる。

『ごめん。…ごめんなさい、白服さん。』

『私の好きな人は白服さんだけだから』

『そんな顔させて…ごめんなさい。』

「……許さない。」

『え……？』

「Aからキス、して？」

そういう彼の顔はいつも通りで、少し子どもっぽい表情で私を見る。

『……ダメ。』

「何で？」

『風邪うつるでしょー？』

「いいから！はい！！」

……譲る気は無いみたいで、ニコニコして目を閉じている。

…しょうがない。

ーーチュッ

『はい！風邪うつんないように、すぐうがいして！！』

赤くなった顔を見られないように布団を鼻まであげる。

「A顔赤いよー？」

『……熱でてるから。いいから、ほら！うがい！』

「まだうがいしないよ？…2ヶ月振りにキスされて、このまま我慢すると思う？」

『……は？』

「さすがに最後まではしないけど……俺の気がすむまでキスさせて？」

『ちょ！！ベッドに入ってこないで！！』

「はい、こっち向いて～」

ーチュッ

『風邪！うつるって！』

ーーチュッ

「そん時はそん時」

ーーーチュッ

『……ばか』

「それくらいAが好きって事」

「Aは？俺の事好き？」

『……チュッ。』

私からのキスに彼は目を見開いて

「良い子。…ほら、口、開けて？」

2.反論さえ呑み込んで

3日後、風邪の治った私の元にこんなメールが。

【風邪引いたから、取りに来て？】