めせもあ。短編集 (ページ11)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:15,378 hit

一言にときめく5題-あおい-3 ページ11

『…いくん？あおいくん？？』

「………えっ！？」

『大丈夫？食べ終わってもボーッとしてるから…。皆部屋に戻ったけど、あおいくんお風呂入る？？』

「あ…あぁ、ごめん。うん、お風呂入ってこようかな？」

『なんか、今日はずっとボンヤリだね？何かあったの？？』

「大丈夫大丈夫。」

『…もしかしてあおいくん、オムライス好きじゃなかった！？』

……なにがどうなってその答えに辿り着いたんだろう？
思わず笑ってしまった。

『ちょ！笑わないでよ～。だってあおいくんがマリカーで負けてるのなんて久しぶりに見たよ。あの時もボーッとしてたもんね？……熱！？』

「違う。熱はない……から」

え？見てた？
Aは料理中だったのに、俺の様子見てたの？
俺がボーッとしてたの、知ってるの？

「ねぇ、何で俺の事見てたの？」

『え？うーん…なんとなく？』

「俺、負けた時誰が1位だったっけ？」

『う、うーん。そこまでは見てない…あおいくんが2位なんて珍しい！って思って…他の人は見てなかったや。』

ーこれは、これは期待していいんだろうか？
Aは俺だけを見てた。
2位ぐらいの位置だったら1位だって印象に残るはずなのに。

「ねぇ、俺が今日ボーッとしてたの。Aの所為なんだよ？」

『…えっ！？嘘！なんかしたっけ私！！』

「ぷんちゃんと仲良くご飯作り。」

「夫婦みたいだった。」

「すっごいイライラした。」

「俺も…ぷんちゃんの位置に立ちたい。」

「俺………いつまでも子どもじゃないから。」

「……男として、見て。」

Aはどんどん顔を赤くして、最後はトマトみたいになった。
やっと、俺もスタートラインに立てた。

『……えっ！？ちょ！そ、それ、どういう？？？』

「…さぁね？お風呂入ってきまーす。」

『ちょ！ちょっとーーー！！』

3.バーカ

たくさん考えて？
たくさん悩んで？
ーー頭の中、俺で一杯になればいい。