[オリジナル] 希望のこの世を (ページ7)

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0話-6 絶望ページ7

東馬「おい、三緒、マスターはどっちに見える？」

突然投げられる質問。
な、なんの話だ...？

三緒「ど、どっちって...」

東馬「性別。」

春弧「もう、東馬ちゃん失礼ね！私は男よ！」

三緒「？！」

(ノーメイクノーケアの三緒)
負けた気がする。女として色々と...。

三緒「お綺麗ですね...マスター。」

春弧「あら、有難う♡」

ニコッと笑うマスター。

春弧「話反れたわね。で、手の怪我は？」

浩雪「僕が見たときには血だらけでね。急いで車に乗せて手当てしたんだよ。」

春弧「あら、そうなの？」

東馬「なあ、三緒。明日、おばちゃま教授だぞ。」

三緒「ハッ！」

死ぬことしか考えてなかった。
明日の実習出れない...この手では。
欠席...怒られる...。

浩雪「おばちゃま教授？」

春弧「東馬ちゃん、そんなこと言って...。」

東馬「怖い教授なんだよ！」

ポソポソと小声で話す正先生。
そこを小声で言っても意味無いぞ...。

三緒「と、とりあえず...連絡を...。」

浩雪「その手で打てるかい？大丈夫？」

東馬「俺が打とうか？」

春弧「東馬ちゃんは不安だからやめて。」

東馬「俺教授なんですが...。」

三緒「家帰ってから自分で打ちます...だ、大丈夫なので...。」

東馬「顔真っ青だぞ。」

春弧「まあ、あまりメール見られたくないものね？無理だったら誰かに頼むのよ？」

三緒「はい...。」

独り暮らしだから助けてくれる人いないけどね。

浩雪「そんなひどい傷じゃ、心配なんだけど...」

三緒「大丈夫です。フォークも使えたので。」

『手も握れます。』と手をグーパーする。ちと、痛い。

春弧「今更なんだけど、時間大丈夫？」

三緒「あ、そうですね。」

もう、21時近くになっている。

三緒「私帰ります。ありがとうございました。」

浩雪「僕送っていくよ。」

三緒「あ、すぐ近くなので。ハンカチ洗ってお返ししたいのですが...」

血で汚れたハンカチ２つを手に持ち、椅子から立ち上がる。

浩雪「いいよ。僕が普通に洗うから。」

三緒「いえ、申し訳ないので！」

浩雪「そうかい？じゃあ、再来週、またここに来て会おうか。授業終わり来てもらえればいいから。僕遅くなるかもしれないけれど。」

三緒「私は待っても大丈夫です。それでは、再来週。」

浩雪「うん、また。気を付けて。」

春弧「また来てね♡」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

マスターがドアを開けてくれた。
お店の中に深くお辞儀をし、
私は店をあとにした。