【ツイステ】そこのチビさん、ちょっと待った！！

25話 ページ28

今日は王位継承式だった
同時に、
俺の王位継承権が永遠に消えた日でもある



こうなることなど、前々から分かっていた
分かっていたはずなのに……



この場に耐えきれなくなった俺は
継承式を抜け出して、サボることにした





はやく、はやくAに会いたい

Aに会えたら、
Aが隣にいれば
こころが軽くなる気がして





目の前が歪んでよく見えない
足も思うように前に進まない
でも、あの場所に行けば
Aがいるんだ



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やっとのことでいつもの場所に着くと

Aがいつものようにいた

俺はAの隣に座って
顔を肩に埋めた



Aはワタワタと
困惑しながらも
いつもよりも優しく、
そっと撫でてくれた



俺が泣き止むまで……



泣き終えると


心配そうに
何があったのか聞いてきた




俺は本当のことを言うことにした
Aになら言ってもいい
何故か分からないけど
そんな感じがした


でも、同時に怖かった
もし、Aの態度が変わってしまったら？
こんな俺に呆れて、もう来なくなってしまったら？



そんな不安が頭を過ぎる


Aがゆっくりと口を開いた

俺は、心臓をバクバクさせながら
Aの方を見た


『.......そうか....よく今まで耐えた、君は偉いなぁ』



そう言って俺を優しく抱きしめた




「......俺は....ﾋｯｸ

　
　 認めてもらいたくて....


　 頑張ったのに....ｽﾞｽﾞ


　 ......誰も認めてくれない......ｳｩ」




『......うん...うん....辛かったなぁ』



そうだ、俺は辛かったんだ
一生懸命頑張ったのに
褒められるのはいつでも兄だ


今までずっと溜めていた
色んな気持ちが込み上げてきた





「...ゔ、ゔあぁぁぁああん！！」






それからのことはあまり覚えていない





でも、ぬくぬくと温かいモノが
俺を包み込んでいた





ずっと、このまま




この優しい温もりを感じていたいと思った

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