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離れないで ar ページ19

『あ、れ……?』

今さっきまで話していた彼の姿が何処にもない、隣にいたはずなのにそこには誰もいなかった。

話している時ほんの僅かに目を逸らしただけなのに跡形も無く消えていた。

周りを見渡しても花が咲き乱れているだけで人の姿など全くない、恐怖に包まれ必死で彼の名前を叫んだ。



『あろさんっ…!!!』

ガバッと音がつきそうな勢いで起き上がる、目の前は不自然な程に綺麗だった花畑が消え見慣れた自分の部屋だった。

ぐっしょりと濡れた身体に不快感を覚えながらも先程の出来事は夢だったのだと理解する。

やけにリアルだった風景に不安を抱いていると扉が控えめに叩かれて彼が部屋に入ってきた。

「え、おはよ、今俺のこと呼んだ?」

困惑して首を傾げる彼を見て安堵する、時計を見ればまだ朝の5時だった為彼が混乱するのも無理ないだろう。

『あー…おはよ。さっきのは寝言、ごめんね朝早くに起こしちゃって』

これ以上彼に迷惑をかける訳にはいかないと思い笑顔で謝ろうとしたが涙が流れてきてしまった。

「どうしたの?!ちゃんと言ってほしいんだけど…」

『グスッ…あろさんが居なくなっちゃったからぁ…』

目の前にいる彼に対して居なくなったなんて支離滅裂な事を言っていたが彼は優しく背中を撫でてくれた。

「大丈夫だって、俺はここにいるよ。ほら見て?
  Aの隣にちゃんといるから」

まるで小さい子をあやすように私の頬を掌で包んで笑う、頬から伝わる体温に安心してようやく泣き止むことが出来た。

「珍しいもの見れたなぁ〜、怖いもの無しのAが大号泣するなんてね」

『う、うるさいなぁ!あろさんが居なくなるのだけは怖いんだもん、仕方ないじゃん』

揶揄ってくる彼に拗ねればごめんってと半笑いで謝られる、しかしその耳が少し赤くなっていたのを見逃す筈もなく。

『あろさんは私が居なくなったら泣いちゃう?』

「さあどうだろうね、泣いちゃいそう」

へらりと笑った彼は大して気にはしてなさそうだった。

「まずAは絶対居なくならないしね」

そう自慢げに笑うから釣られて私も笑ってしまった。よく分かってるなぁ、私のこと。

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伯爵(プロフ) - 蜂蜜飴さん» ただいまです!!!!!!! (2020年8月9日 16時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜飴(プロフ) - おかえりなさい!! (2020年8月9日 13時) (レス) id: b117f3a79e (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - 多肉植物さん» 多肉植物さんただいまです!!感想すごく嬉しいです…頑張ってこれから更新していきます!! (2020年8月9日 12時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - ソウのうどん屋さん» ただいまです!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです! (2020年8月9日 12時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
多肉植物(プロフ) - おかえりなさいです、期間を空けていたのにお話が語彙力の塊すぎて本当すごかったです!更新は気が向いた時に更新してくださればそれでもう満たされます…!疲れない程度に更新頑張ってください (2020年8月9日 11時) (レス) id: c530965229 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伯爵 x他1人 | 作者ホームページ:今のところはありません  
作成日時:2020年5月21日 1時

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