《限界メンバー》彼らと過ごす日々2

意地悪なのに　ar ページ13

※学パロでーす

思えば彼は出会った時からずっと意地悪だった。
すぐに揚げ足をとったり、嘘をついて騙したり。

今だって絶対に気付いているであろう私の気持ちにも知らないフリをしているんだから。

私より年上の彼は高校卒業と同時に東京へ行くんだって。気持ちを誤魔化す理由はそれなのかな。

『あろさん、私遠距離でも気にしないよ』

付き合えるだけで嬉しいのに、1人ここに置いていくのが余程嫌らしい。

「俺が気にする。俺よりいい人現れたらどうすんの」

意地悪な彼でもそういうことは不安に思うんだ。そっぽ向いてそう言う彼は寂しそうだった。

彼以上に良い人なんか居るわけないのに。でも、言葉だけじゃきっと納得してくれない。

長い間居たからどうすればいいか分かってたのにこればかりはどうしようもない気がした。

『あろさんより良い人居ないよ。これは絶対だから』

一途な想いを伝えたって君の決心は揺らがなそうだ。いっそ行動に移せば…そうか、そうすればいいじゃん

『いいこと思いついた！私がちゃんとあろさんを好きなままだったら1年後私も東京に行くよ』

単純で明確な案だと思う。1年待たなきゃいけないけどよく待たされた私からすれば楽勝。

自信満々に言えば彼は嬉しそうに笑った。やっと、彼の気持ちを動かせたんだと思うと達成感がある。

「分かった、待ってるから。約束」

小指を結び指切りをする。ああ、1年とか長いなぁ。彼がいない学校とかやる気が起きない。

今はまだ“友達”として隣にいる彼。横顔を見つめれば見過ぎ、と目を手で隠されてしまった。


その指の隙間からは赤く染まった顔が覗いていた。

重く絡まる愛　tr→←操り人形　gn

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