《限界メンバー》彼らと過ごす日々2

物知り　gt ページ11

大量の本に囲まれた部屋で彼の話を静かに聞いている。

この本は幼い頃から好奇心が強くこの沢山の本は彼自身が望んで買ったものらしい。

ここにある本全て読破していてそのことには本当に驚かされた。

そのお陰か彼の語彙力は凄くて話の途中に難しい言葉が出てきてちょくちょく質問していたりもした。

机を挟み向かい合わせに座って最近読んだ本のことについて長々と語る彼の話は理解は出来ないものの聞いていてとても面白いのだ。

普通のやつは皆聞かねえよ、と変な奴認定してきたことには解せないが。

あと分からないことがあるとよくここに来る。物知りな彼に聞けば大抵のことは知っている。

専門的なことから哲学的なことまで、一体情報をどこまで網羅しているのか見当もつかない。

ある日私は今までずっと疑問にしていたことを聞いてみた。何故今まで言わなかったのかというのは曖昧だったから。

『ねえ、ぐちさんといると心臓がドキドキするんだ。これってなあに？』

一通り話終わり満足してラムネを食べていた彼にそう聞けば瞳が揺らいだ。

「なんだ、今更緊張でもしてんのか？」

どちらかと言えばそう聞いてくる彼の方が緊張している。

この気持ちは緊張とは違う、言い表しづらいのだけど心地よいドキドキ感なのだ。

『違うよ、心地いいの。ずっとぐちさんと居たいなって思う』

話を聞いてるとやめないで欲しいとか、時間が過ぎるごとに帰りたくないなとか

兎に角彼の側に居たくなる。何時間も何日でも、出来る限りずっとずっと。

「あー、それは俺にも分かんねえや。頑張って何か探してみるな？」

すぐに話を終わらせるなんて彼らしくないことをする。分かるまで探求するのが好きなのにね。

多分何かを隠してるんだろうけど馬鹿な私には何も分かんないや。

君が答えてくれるその日まで
隣で待っててもいいですか？

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