屋上 ar ページ7
※学パロです!あろさんが先輩で夢主が後輩です
昼休み開始のチャイムが鳴り響く学校で、今日も屋上への階段を駆け上る。
少し古びたこの校舎の扉は錆びてしまっているのかドアノブを捻り開けるとギィっと音を立てる。
『あろせんぱーい!お昼食べましょ!』
いつも通りの会話に彼ももう慣れてしまったのか返事をせず自身の隣を叩いて座ることを促す。
彼は胃があまり良くないらしく、ご飯を食べることを嫌っている。
しかしそれではもっと不健康になってしまうので私が毎日購買でパンを買って押し付けに行くのだ。
「で?今日は何のパン買って来たの」
最近は自分から何を買ったのか聞いてくれるのでやっと食べる気になってくれたかと嬉しく思っている。
まあ彼と出会ったのは確か1ヶ月前、私が昼ごはんを食べるのにいい感じの場所を探していた時だった。
ふと思いついた屋上に向かうと私より一学年上のこのあろえ先輩がいたというわけだ。
彼にとって屋上はお気に入りの場所だそうで最初は人が増えるのが嫌だと断られていたが私が粘ってお願いしたため折れてくれたのだ。
最初こそはあまりいい出会いではなかったかもしれないが今はそこそこ仲良くできているような気もする。
他愛もない雑談をしつつ昼食を終え、一息つく。
すると彼は思い出したように口を開いた。
「そういえばさ、なんで屋上でご飯食べたかったの?」
私がお願いしてまでここで食べたがっていた理由。
確かに彼には話していなかった。
いや、話せなかったというべきか。
『知りたいですか?ほんとに?』
この話を口に出すのは少し怖い、今までの全てが崩れ去ってしまうかもしれないのだから。
「無理にとは言わないけど、まあ気になるかな」
覚悟を決めよう、何のためにここまで努力したと思ってるんだ。
金欠なのにバイトしてまで購買に行って、友達に懇願して教わったメイクも、話したいからって始めたゲームも、全部ぜんぶ…
『あろ先輩のためです。あの時から一目惚れしてたんですよ』
ついに言ってしまった。
私達の間が静寂で埋まる。人生で一番耐え難い無言かもしれない、たった数秒でも何時間に感じられた。
「へ…そ、そうだったの?」
この先輩は全く気付いてなかったらしい。友達のこととなるとあんなにも鋭いのに自分のことは鈍感なのか。
『今度からちゃんと意識してください、絶対堕としてみせますから』
顔を真っ赤に染めた彼に宣戦布告
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白いアスパラ - めちゃくちゃ好きです!需要しかない…続編更新楽しみです! (2020年5月29日 15時) (レス) id: 72a8b58e62 (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - 逆音つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色さん» そう言ってもらえて嬉しいです…!!この作品が完成したら続編を作ろうと思います! (2020年5月17日 4時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
逆音つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色(プロフ) - 需要...需要しかないです...ください続編...()毎回毎回楽しませて頂いてるので、ぜひ、無理のない更新頻度でこれからも頑張ってください! (2020年5月17日 2時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - 羅忌*ベルーガさん» ほ、ほんとですか?!ありがとうございます…!応援とても嬉しいです! (2020年5月17日 2時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
羅忌*ベルーガ(プロフ) - いつもほのぼの気分で読ませて頂いております!続編の事なのですが、私は需要あるなって思います!では、更新頑張ってください!! (2020年5月17日 1時) (レス) id: b3da06cea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伯爵 x他1人 | 作者ホームページ:今のところはありません
作成日時:2020年4月23日 7時