《限界メンバー》彼らと過ごす日々

昼　cn ページ47

昼の太陽にみたいに明るい薄黄色の髪を揺らしながら歩く彼を見つめる。

背が高い訳じゃないしむしろ平均より下くらいの彼だけど、買い物の荷物は全部持ってくれる所を見ると男らしいなぁと改めて思う。

しかしボルダリング等で鍛えられたその手は私に触れる時だけはとても優しく割れ物を扱うかのように丁寧だ。

さりげない気遣いも眩しいその笑顔も全てが私を魅了させていく。

彼と一緒に居るだけで好きという気持ちが募っていき私の心の中で彼は外せない存在だ。

彼が居ないと曇空のように心が暗くなってしまうから

『そめさんって太陽みたいな人だよね』

言うつもりは無かったけど口が滑った。突然こんなこと言うなんて変な人みたいになっちゃうな。

「あはは、何それ。詩人みたいなこと言うね」

別に引いてる様子も無く私の言葉にけらけらと笑う彼を見て少しムスッとする。

自分でも少し痛い台詞だったと思うけど本当にそう感じたのだから仕方ないじゃんか。

ちょっとキザな言葉は普段大雑把な私には似合わないことくらい知ってるし。

「俺が太陽ならAは月みたいだよ」

暗い夜も明るくしてくれるからね、と付け加える彼にはどうにも敵わない。

唐突な言葉にもそんなカッコいい言葉で返されてはますます好きかになる一方だ。

自分からこの話を持ちかけたが羞恥心に負けて適当に流す。何でそめさんはあんなに余裕なの。

『荷物一個貸してよ』

荷物を奪い取って片方の手に持ち変える。何でか分かっていない彼の手を握ると納得してくれたようだ。

「素直に言えばいいのに、ほんと可愛い」

嬉しそうに目を細めながら私の手にキスをしてくる。余裕そうな彼の表情を崩したかったのだけど私の負けらしい。

紳士のような対応に顔が熱くなりうー、と唸る。いつか彼に勝てるような時は来るのだろうか。

デートで手を繋ぎたいと言ってみた→←朝　kn

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す