《限界メンバー》彼らと過ごす日々

模擬戦　yk ページ34

※軍パロです！

『焼きパンが戦ってるの見たことないんだけど』

隣で焼きそばパンを頬張る彼に話しかける。いつも共食いだと思っているが本人は何も思わないらしい。

まあ戦場で彼を見かけるのが少ないのは部隊が違うからという理由もあるし元々彼は前線などではなく情報系専門だからだ。

彼の情報捌きは素人から見ても凄いものだと伺える。なんたって速さが違う、ましてや敵との攻防戦で負けるところなんて見たことがない。

だが一応そんな彼も軍人な事には変わりない。多少の戦闘能力は兼ね備えている筈だ。

興味本位でそう聞くと

「じゃあ模擬戦してみる？午後空いてるよ」

と返ってきたのは意外だった。戦闘は嫌がりそうだと思ってたのに。

『したい！これ食べたら訓練場行こう』

食事を手短に済ませいそいそと訓練場へ向かう。その途中に焼きパンは久々だから鈍ってるかも、なんて言い訳を呟いていた。

お互い木の剣を持ち構えの姿勢をとる。ちなみにだが私は前線部隊の幹部を務めている、流石に勝たないと示しがつかない。

部下から開始を告げる合図が聞こえると踏み込んで一気に距離を詰める。

剣を振り下ろすも弾かれてしまった、しかし諦めずに攻撃される前にと次の攻撃へ転じる。

彼が私の攻撃をずっと躱していたのだが少しだけ生まれた隙をつき無事勝利を収めたのは私だった。

「Aが強いのもあるけど…僕かっこ悪いね」

負けたことを気にしているのをえへへ、と誤魔化して笑う彼に耳元で囁いた。

『可愛いからそれだけで充分だよ、私が強くなれる理由は焼きパンがいるからなんだから』

すると彼はバッと私から距離を取り顔を真っ赤にしながら耳を押さえた。

「…！強くてカッコいいとか、チートじゃん…///」

最早これは彼氏彼女の立場逆転かもしれない。
性別、逆の方が良かったかな。

真実　kn→←甘えてみた

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す