《限界メンバー》彼らと過ごす日々

悪夢　tr ページ31

※死ネタです。バドエン

ブレーキ音と共に景色が赤く染る。夕焼けの光と錯覚してしまいそうな程に散りばめられた赤色は俺の視界を埋める。

隣を歩いていた筈の君はいなくなっていて、代わりに原型を留めていない肉塊が横たわっていた。

なんで、そんな、有り得ない。どうして君が…君じゃなくても、別の人が……

今起こった出来事を受け入れられずに最低な思いばかり浮かぶ。

君はそんなこと望まないのに、他人だろうと自分を犠牲にしてまで助けるほどに君は優しいから。

落ち着こうと深呼吸すると肺いっぱいに鉄の臭いが入り込んでくる。

身体がそれを拒絶し嘔吐く。上手く息が吸えない、段々と呼吸が荒くなっていく。

きっとこれは何かの間違いなんだ。そうだ、夢だ。

あまりにも残酷で妙に現実味を帯びた悪夢なんて早く覚めてしまえ。

立つことすら出来なくなり、その場に蹲る。そこで俺は意識を手放した。



俺が目を覚ました場所は何故か真っ白な病室だった。

起きたばかりだから覚束ない手足を動かし医者の元へ向かうと体調は悪くないそうなので退院となった。

すると友人が来て葬式に呼び出された。今日は忙しいな。

周りを見れば、皆泣いていたり友人同士で肩を寄せ合っていた。

線香をあげるため列に並ぶ。俺の番が来て視線を上げると絶句した。

遺影に写っていたのはAだった。趣味の悪いドッキリなのか。

そんなのであれば今すぐに取り止めて欲しい。この棺桶に入ってるのがAのはずがない。

だって君は今も俺の隣で笑ってるんだから

隣で寝てみた→←ホラゲー　 ar

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す