《限界メンバー》彼らと過ごす日々

人狼　cn ページ25

※人狼パロです、ﾀﾋネタ注意

食べたくない、そんな思いとは反対に欲望のままに動き続ける身体は止まらない。

自分が生き残るためだけに人を喰らうなんて、それこそただの化け物じゃないか。

けれど今目の前に立っている君を見ていると俺の本当の姿が剥き出しになる。

爪は鋭く伸びて犬歯が大きな牙へと変化していく。

こんな姿気味が悪い

『ねえ、俺を殺して』

誰も食べたくないから。誰も悲しませたくないから。

君の方を向き懇願する。なんで君に頼むのかっていうのは俺の我儘でしかないんだけど

最期は君に看取られたいんだ。

けど君は静かに首を横に振った。

「ごめん、それは出来ない。
だからそめさんは私を食べて生きてよ」

君を食べるくらいなら死ぬ方がマシだ。そう答えようとしても口から溢れるのは呻き声ばかり。

一歩一歩こちらに近づき俺を抱き締める。甘い匂いで全てが満たされる。

『っ…！本当に…ごめん……』

そう謝ればいいよ、と頷き俺から手を離す。君は最期まで俺を笑って見つめていた。

なんで…俺に食べられるかもしれないのに、そんなに笑顔でいられるんだ。

俺は嫌だ。嫌なのに、どうしてAを見るとこんなにもお腹が空くんだろう

あの腕は、あの脚は、口に入れてしまえばどれだけ甘美な味がするのか。

抗えない。自分自身の欲望に抵抗なんか出来やしない。

それでも、せめて苦しくないようにと一撃で息の根を止める。

君との別れは実に簡単で、今までの関係が意味の無いものへと崩れていく。

君の犠牲を無かったことにはさせないから、もう少しだけ待っていて欲しい。

俺が寿命を全う出来たら絶対に其方へ向かうからさ。

きっと天に居るであろう君へと叫ぶ。他の人が聞けばただの遠吠えだろうけど


口許に散った彼女の血を舐めて不覚にも美味しいなんて思ってしまったんだ。

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