吸血鬼 yk ページ23
皆様のお陰で順位が…2桁にまでなりました……
読んでくださってありがとうございます、これからも精一杯頑張ります!それでは本編どうぞ
※焼きパンが吸血鬼です
真夜中の12時になったことを時計の鐘が告げた。
ベッドから起き上がると、窓を開け空を見上げる。
満月が光り輝く夜空に大きな蝙蝠のような羽を持った1人の人影が窓の縁に舞い降りてきた。
「ありがと〜、おじゃまします」
黒のマントに赤いマフラーを巻いた彼はカッコいい服装をしているとどうも違和感を感じてしまう。
彼のほわほわとした天然オーラがそうさせてしまっているのだろうか、まあどちらにせよ似合っていない訳ではないのだけれど
『ふふ、もしかして寝起きだった?』
所々はねた髪の毛を指しながらそう言うといそいそと寝癖を直し始める。
「え、嘘!まだはねてたの〜?」
その様子にクスクスと笑っていると頬を膨らませあからさまに拗ねられる。
『そんなことよりさ、お腹空いたでしょ?』
吸血鬼である焼きパンに本題を切り出す。
その存在は街へと知られている為教会の人々が日々巡回をしているので中々食糧にありつけないのだ。
彼が空腹で倒れてしまいそうな時に私と出会ったのだ。最初は驚愕こそはしたものの慣れてしまった今はどうとも思わない。
もはや恋愛感情を抱いてしまうほどなのだから。
「いつもごめんね、あんまりAに痛い思いさせたくないんだけど…」
彼にとって私は食糧であるというのに心配してくれるなんてよほど優しいということが伺える。
『いいの。私の好きでやってるから』
服を少し晒し彼の方へ首元を近付ける。鋭い牙が肌へ刺さる感覚は未だに慣れないけれど…
「ん…御馳走様。じゃあそろそろ寝ないとね」
血を吸い終わると私の健康を気にしてか早く帰ろうとする彼を引き留める。
『もっと焼きパンと話がしたいんだけどダメ?』
我ながらずるい聞き方だ、優しい彼が断れる筈がないのに。
「うーーん、いいよ。ちょっとだけだからね」
最近何があったとかそういった他愛もない話をしているだけで時間はあっという間に進んでいく。
「そろそろ帰るね。おやすみ」
大きな羽を広げ窓の外へと飛び立つ姿に大声で呼びかける。
『焼きパン!明日もちゃんと待ってるから!』
バレちゃうよ、と人差し指を口に当てる仕草をした後
「えへへ、ありがと」
とお礼を言って夜空の闇へと消えていく。
気持ちは伝わらなくても、側には居させてほしいから
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白いアスパラ - めちゃくちゃ好きです!需要しかない…続編更新楽しみです! (2020年5月29日 15時) (レス) id: 72a8b58e62 (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - 逆音つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色さん» そう言ってもらえて嬉しいです…!!この作品が完成したら続編を作ろうと思います! (2020年5月17日 4時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
逆音つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色(プロフ) - 需要...需要しかないです...ください続編...()毎回毎回楽しませて頂いてるので、ぜひ、無理のない更新頻度でこれからも頑張ってください! (2020年5月17日 2時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - 羅忌*ベルーガさん» ほ、ほんとですか?!ありがとうございます…!応援とても嬉しいです! (2020年5月17日 2時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
羅忌*ベルーガ(プロフ) - いつもほのぼの気分で読ませて頂いております!続編の事なのですが、私は需要あるなって思います!では、更新頑張ってください!! (2020年5月17日 1時) (レス) id: b3da06cea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伯爵 x他1人 | 作者ホームページ:今のところはありません
作成日時:2020年4月23日 7時