ばか。 ページ3
｢ねぇ、おきて｣
冬の冷たい空気のせいで、寝相の悪い君はそこから出た手を冷たく冷やしていた。
ゆさゆさと。
君を眠りからさます。
｢ねぇ…Aってば｣
すこし、いやかなり、お寝坊さんな君はいっつも僕より早く寝る。
僕より起きるの遅いのにね。
｢ねえ、｣
あぁ、なんて滑稽。
ほんとはね、ほんとは、
少しだけ期待してたんだ。
涙を流した昨日だって。
全てを呪った昨日だって。
ほんとは全部嘘で、まやかしだったんじゃないかって。
バカみたいだね。
現に君は、手だけじゃなくてすべてが冷たいのに。
それでもまだ君に、縋っているんだ。
君の抜け殻に、君なんているはずもないのに、ね。
心を失った抜け殻は、もう僕を温めることも、休めることもせず、安らかに、解放へと進んでゆくだけ。
何も間違っていないのに。
何も違ったはずはないのに。
同じ未来予想図を完成させて。
小さな幸せを握りしめて噛み締めて。
慎ましくたって、生きてきたのに。
その切符さえ、砕かれ千切られ踏みつけられるほど。
僕らは何をしたというんだ。
抜け殻にキスをしても君は戻らない。
肉を焼き、骨が腐っても、君は還ったりはしない。
涙をいくら零しても。
いくら君を愛しても。
一方通行で、かえってこない。
ごめんなさい。
死ぬだなんて思わなかったんだ。
あの日はツアーで疲れてて、達成感と同時にみんなと並んだ時にやっぱり劣る僕が恥ずかしくて仕方なかったんだ。
そうして、君に当たってしまった。
結局、臆病な僕は君に何も言わなかった、
何も言わずに絶たれてしまった。
笑顔で迎えてくれた君を僕は無理矢理✕したね。
抵抗する君を無視して捌け口にしてしまった。
そうして、終わってしまったね。
そうして、オワッテシマッタネ。
続く
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ぱん田(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！ (2018年3月16日 0時) (
レス) id: 115071a5f8 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい (2018年3月15日 22時) (レス) id: 726748b31b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱん田 | 作成日時：2018年3月15日 22時
