【短編集】空気とバターとちょっとの小麦粉【ワールドトリガー】

はじまり【時枝充】＿＿＿えなみぃ様リクエスト ページ34

最近アーサーととみおの出かける時間が増えている気がする。

オレの家では猫は放し飼いなのでいないこともある。

別に脱走癖があるとかではないので家族みんなそれを認めている。

…だが最近の外出時間がやけに多い。

家族の中で恐らく最もあの子らを愛しているだろうオレ。

まぁ彼らの行動も勿論気にするわけで。





時「…つけるか。」




まだ午前１０：００だからまだまだ時間がある。

次オレのところに来て離れたときに追いかけるか。





・




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来た！

アーサー、とみおが甘えてくる。こいつらは本当に仲がいい。

ふわふわの毛を撫でれば二匹とも満足そうだ。




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しばらく猫じゃらしで遊んでいると飽きたらしく、どこかに行くようだ。

…さて、精々バレない程度についていくか。




…といっても猫にばれずについていく、というにはやはり不可能だったようで。

結局見失ってしまった。




時「…ここらへんなんだと思うんだけどなぁ。」




コンクリートの道を歩く。

…ここらへんで猫が行きそうな場所。大体の見当はつくだろうか。

…もう帰ってもいいかな。

でも家に帰っても正直何もすることがない。暇だ。

というかここ、人通り少ないな。

人の気配なんてしない。木ばかりだ。まぁここらへんはもとから田舎だが。




　「＿＿＿＿＿＿」



…声がする。声色的に女の子かな。オレと同じくらいの。

よく聞いてみたら猫の声もする。アーサーととみお…？

この奥だよなぁ。…ちょっと、のぞいてみるだけ。









木の陰に隠れてのぞく。

＿＿＿そこには確かにオレの家の猫がいて。

女の子はあいつらに向かって話しかけているみたいだ。




　
　「ごはん、美味しい？この猫缶美味しいって評判だから買ってみたんだけど…どうかな？」



女の子の呼びかけを華麗にスルーした猫たちはあろうことかオレの姿をとらえたようでオレの方に鳴き声をぶつけてきた。

これ、ばれるだろ。

女の子もこちらを向く。

腹をくくったオレは呆れながら木の陰から出てくる。





　「…はじめまして、こんにちは。」

時「…どうも、こんにちは。」





お互いが頭を下げる。

なんて稀有な状況なんだろう、これは。









＿＿＿＿彼女とオレの関係は、ここから始まった。









＊＊＊
意味わかんないですね、これ。

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