ふれんど ページ4
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午前の授業が終わって弁当の入ったバッグを取り出そうとした時、朝よりは可愛らしい邪魔が入った。
「Aちゃん!
ちょっと聞きたいことあるんやけど!」
「うん、なに?」
お茶子ちゃんはパッと見開いた目を大きく瞬かせながら、両腕で拳をつくって上下にブンブンと振る。「あのね!」と切り出した彼女の口から出てきた言葉は少し場違い過ぎた。
「朝見たんだけどね!!
あの紺色の髪の人って彼氏なん!?!?」
「ウィ???」
「えっカレシ!?」と電気くんやらがわちゃわちゃし始める。
まてまてまて、と止めたが遅過ぎた。頰を赤らめるヤオモモに、えっほんと!?と騒ぎ出す芦戸ちゃん透ちゃん。
いやっ…とは言い出すが、違うと否定は出来ない事なので、何も言えないまま恥ずかしい気持ちだけが募る。
渋々口をゆっくりと開いて「いやぁ…あの…」ともごもごさせる。
これは言うしかないのかなあと、若干卑屈になってるところがあった。ああもう、こんな所だけ環くんに似ちゃって。どうすればいいんだ。
そう悩んでいると、首根っこをぐいっと掴まれて、私は無理矢理立たされた。ガタン、と傾いて元に戻った椅子が大きい音を立てた。
引っ張り上げた主を見ようと、ぐっと首を動かして振り返る。そこには轟くんがいた。
「えっ、轟く」
「うるさい、行くぞ」
私は握りしめたお弁当バッグを崩さないように抱きかかえながら、轟くんに引きずられて教室をなんとか出た。おい轟!!とつまんなそうな電気くんの声が聞こえる。
ガラリ、とドアを閉めて、轟くんは私を立たせてくれた。
「大丈夫か」
「う、うん、ありがとう…!」
轟くんは、私と環くんのことを知ってて、たまに相談に乗ってもらう大切な友達となった。
付き合い始めたときは自分のことのように喜んでくれたっけ。「すげえ」と呟いて、無心で腕をブンブン振り回してきた彼を思い出して、少し笑ってしまう。
「先輩んとこ、行くんだろ?またな」
「……う〜〜〜〜ありがとう〜〜、、!」
私は歩き出した。
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詩月 - 少し気になっただけなのですが、詩月、って知りませんか?Twitterで仲良くして貰っていた子も、のの、だったので。無視して頂いて大丈夫です。作品面白かったです。 失礼しました。 (2018年7月1日 15時) (レス) id: 2f2bddb1c8 (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - ののさん» いえいえ、大丈夫ですよ!気にしないで下さい……! 私が勝手にコメしてるだけなので……(笑) 作者様のご都合もあるでしょうし、 何時でも待っますので!!(笑) (2018年1月20日 21時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 木乃狐さん» 木乃狐さん、またコメントしてくれてありがとうございます!みなさんのお陰です、これからも頑張りますね!返信遅くなってしまい申し訳ありません。 (2018年1月20日 12時) (レス) id: d43f97ddad (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - 以前コメントさせていただいた者です……。 評価100超えおめでとうございます! 凄いですね、流石です! ……それだけいいに来ました……すみません!! (2018年1月5日 7時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - ミルクココアさん» 1から読んでくださり、ありがとうございます!はい、更新頑張ります◎ (2017年11月11日 14時) (レス) id: 3242c5aeef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2017年10月1日 3時