へや ページ11
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インターホンを押すと、３秒も経たないうちにピンポンというチャイムが止まって聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「A来たの〜！？久しぶり待って今出るね！！」
「あっおか」
お母さん、と言いかけた声は聞こえる事なく、インターホンからは無機質なブチリという音しか聞こえない。がくりと肩を落とす。背後を恐る恐る見やると、案の定ガチガチと震える彼が見えた。
「まっ…やっぱ眩し…むりだ…」
「た、たのむから帰んないで」
頭を抱えて踵を返そうとした環くんの手を掴んで握り締める。ちゃんと言うから大丈夫、と伝えたのと同じタイミングで玄関の鍵が回る音が聞こえてきた。
ガチャ、と開いたドアからは、ひょこりと顔をのぞかせた、今でも変わらない顔をした母親がいる。
にこりと口角を上げた母は、環くんのことをちらりと見て、「あなたが環くんかー」というと、おいで、と手をちょいちょいと小招きした。
今日２人はここで寝てね、と去年までわたしが使っていた部屋に通された。既に隣り合いに敷かれた二枚の布団を見て、親のありがたみを感じる。
部屋の端に２人で荷物をまとめて置いて、つま先から伸びをする。
すうっと息を吸って、懐かしい匂いを満たす。一緒に上げた手を下げると、べちんと環くんに当たってしまう。
「あっ、ごめん」
「大丈夫」
環くんはまたもやわたしと同じように深呼吸をして、こちらを見る。
「ここ、Aの部屋だったところ？」
「そうだよ、いつもそこで勉強したり、泣いたりしてた」
「泣くっていうチョイスどこから来たんだ…」
わたしが指差した先には、年季の入った学習机が。私が出た後も配置を変えないでいてくれたようで、表面をさらりと撫でれば木製特有の段差がある。
雄英に入ろうと、必死に机に向かった記憶が蘇った。
静かに、笑う。
「私も、誰かを救けられるヒーローになれるかな」
「……なれるよ、Aなら」
でもとりあえずはこの後だね、と２人で顔を見合わせた。
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詩月 - 少し気になっただけなのですが、詩月、って知りませんか？Twitterで仲良くして貰っていた子も、のの、だったので。無視して頂いて大丈夫です。作品面白かったです。 失礼しました。 (2018年7月1日 15時) (
レス) id: 2f2bddb1c8 (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - ののさん» いえいえ、大丈夫ですよ！気にしないで下さい……！ 私が勝手にコメしてるだけなので……(笑) 作者様のご都合もあるでしょうし、 何時でも待っますので！！(笑) (2018年1月20日 21時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 木乃狐さん» 木乃狐さん、またコメントしてくれてありがとうございます！みなさんのお陰です、これからも頑張りますね！返信遅くなってしまい申し訳ありません。 (2018年1月20日 12時) (レス) id: d43f97ddad (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - 以前コメントさせていただいた者です……。 評価100超えおめでとうございます！ 凄いですね、流石です！ ……それだけいいに来ました……すみません！！ (2018年1月5日 7時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - ミルクココアさん» 1から読んでくださり、ありがとうございます！はい、更新頑張ります◎ (2017年11月11日 14時) (レス) id: 3242c5aeef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のの | 作成日時：2017年10月1日 3時
