でんしゃ ページ9
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再びその瞼が開いたときは、乗換駅のすぐ手前だった。
横でまだすうすうと寝息を立てる環くんの肩をちょちょいと叩いて、「もう乗換駅つくよ」と耳元で言う。
とろんとしたまま開いた瞳は私を捉え、「うん」という声とともに彼は動き出した。
タイミングも良く、丁度無機質なナレーションの声が次につく駅のアナウンスを始める。
その後車掌の声が乗り換え列車の案内をする中、荷物をごそごそとまとめた。
窓から流れ行く景色の速度がゆるまって、止まる頃に腰を上げた。列車から降りて、それなりに混み合っている駅を歩く。
適当に手土産を１つ手に取る。チョコレート菓子は両親が特に好きなので、これはもってこいの物だろう。
レジに置いてさっと会計を済ませ、袋を持って再び歩き出した。
エスカレーターを降りて右手に見えたのは自分たちが乗る電車だ。
すでに到着しているものだが、方向がすごい田舎なのと、その癖して普通列車だったのもあるのか客は少なめだ。
荷物を手に抱えて乗り込むと、ちょうど２人分の空席。
荷物を車体上部の棚に上げ、２人で隣り合って座った。
「初めてだから…不安だ、怖い」
「…多分ついたら違う意味でこわくなるから、あんま抱えないで」
飴食べる？とポケットから取り出したのは、100円の運試しゲームでラッキーなことに４個ゲットできた棒付き飴のひとつ。味は王道のプリンだ。
「ありがとう」
「Aちゃんに感謝しなさい」
「A、ありがとう」
「よろし」
古語かな、とか言って２人で笑ってると、発車のアナウンスが流れた。
申し訳程度のビルはすぐまばらになり、鬱蒼とした森がすごい速度で窓の外を流れてゆく。
もうちょっとで久しぶりのお母さんとお父さんだ。
ちょっと、楽しみ。
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詩月 - 少し気になっただけなのですが、詩月、って知りませんか？Twitterで仲良くして貰っていた子も、のの、だったので。無視して頂いて大丈夫です。作品面白かったです。 失礼しました。 (2018年7月1日 15時) (
レス) id: 2f2bddb1c8 (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - ののさん» いえいえ、大丈夫ですよ！気にしないで下さい……！ 私が勝手にコメしてるだけなので……(笑) 作者様のご都合もあるでしょうし、 何時でも待っますので！！(笑) (2018年1月20日 21時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 木乃狐さん» 木乃狐さん、またコメントしてくれてありがとうございます！みなさんのお陰です、これからも頑張りますね！返信遅くなってしまい申し訳ありません。 (2018年1月20日 12時) (レス) id: d43f97ddad (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - 以前コメントさせていただいた者です……。 評価100超えおめでとうございます！ 凄いですね、流石です！ ……それだけいいに来ました……すみません！！ (2018年1月5日 7時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - ミルクココアさん» 1から読んでくださり、ありがとうございます！はい、更新頑張ります◎ (2017年11月11日 14時) (レス) id: 3242c5aeef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のの | 作成日時：2017年10月1日 3時
