いっぱい食べるきみがすき ページ25
．
「えーー！！！ねえなんで！？！ねえねえ！！！なんで？！？！ねえ！？」
「ははは、やっとかー」
突然の事に驚きを隠せないねじれちゃんに、優しい笑みを浮かべるミリオくん。
隣で、いつもよりなんだか口を歪ませて「ううう」と唸る環くんがちょっと面白い。
今日は久しぶりに食堂で昼食をとる。もちろん私と環くんは弁当だ。
４席のテーブルに、こちら側に環くんと私、向かいにミリオくんとねじれちゃんという形で座っている。
「ねえ、ねえなんで？どっちから？？ねえ？」
「……A…、これなに……」
茶々を入れようとしたねじれちゃんにガン無視をキメた環くんは、弁当箱の中の食材を指差す。
そこにはふたつの小さな天ぷら。
天ぷらといえばアイツら ( 9P:わかっちゃったを参照 ) な感じだが、それは違う。
「これね、コチョウラン！！なんか食用いけるっぽかったからいれた！
それ個性で出したら、環くんの好きなちょうちょ来るかなぁって思って…」
「Aちゃん発想がホント天才のそれなんだよね！！」
胡蝶蘭という花を揚げてみたのだ。
まぁ食べてみ！と促すと、渋々それを口に運ぶ。
少し咀嚼すると、「……美味しい」とひとことこぼす。一安心。
環くんはミリオくんに向かって「見てくれミリオ、この立派な花」と指先から色鮮やかな胡蝶蘭を咲かせている。
その後２人は中庭に行って蝶を見に行ったらしく、食堂には私とねじれちゃんが残った。
ねじれちゃんはまた冷やかしに来るかと思いきや、
「ふーん、胡蝶蘭ねぇー」
とにやにや笑う。さすがに女の子にはバレてしまうよな。
ねじれちゃんは頬杖をついて、「ねえねえ」と訊いてきた。
「Aちゃんはどして天喰くんのこと好きなの？どこが好き？」
私はその言葉に少し考える。いろんな環くんを思い出して、１つ考えることがあった。
「私は…んん、まぁ全部、すき、ですけど
なんだろう、『いっぱい食べる君が好き』ってやつかなぁ…
食べてるとこ見ると、幸せになります」
そう言ってるうちに口角が上がっていた。ねじれちゃんは「そっか！」とにっこり笑い返してくれて、ぽんぽんと頭を撫でられた。
「行こっか」という彼女の言葉で２人で立ち上がる。
環くんとお揃いの柄の弁当箱を持ち上げて、大事に抱えた。
．
きみがすき。
わたしは、どんなきみもすき。
でも、もしいいのなら
おいしそうに、
わたしがつくったごはんをたべて。
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宮垣 - 天喰くん可愛い。けどナメクジって確か寄生虫ヤバいんじゃ… (2018年2月24日 21時) (
レス) id: e5668725a2 (このIDを非表示/違反報告)
水仙(プロフ) - 天喰くん可愛いwそして主人公食料調達すごすぎw (2017年12月7日 22時) (レス) id: 2af43545d8 (このIDを非表示/違反報告)
谺(こだま) - 天喰さんがわいい (2017年11月21日 16時) (レス) id: cb3a1973eb (このIDを非表示/違反報告)
ミルクココア - 天喰君可愛いです!めっちゃ楽しみにしてマス! (2017年10月14日 22時) (レス) id: 4473a635a2 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクココア - 面白いです!続編もものすごくいいです!頑張って下さい！ (2017年10月14日 22時) (レス) id: 4473a635a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のの | 作成日時：2017年7月27日 20時
