でんごん ページ21
．
ダダダッと走っていると、目の前の人とぶつかりそうになった。慌てて避けて、謝ろうと顔を上げて相手を見る。
「っごめんなさ……あ」
目の前にいたのは、波動ねじれちゃんだった。
私と目が合った瞬間ぱあっと顔を明るくしたねじれちゃんは私の空いた片手をガシッと掴んでいつもみたいに笑った。
「わーーAちゃんっ！！おはよう！！それよりどうしたの？気になるな！なんで！？」
ブンブンと握られた腕を上下に振られる。やーんかわいーとか私には似合わない言葉をうっとりした顔で言っている。
なんて言おう、と考えていればさっきの事を思い出してしまい、気まずくなった。
それならねじれちゃんに頼ませていただこうと思って、口角を上げる。
「えっと環くんにこれ渡して欲しいんですけど…」
「お弁当渡し忘れちゃったのね！？うんいいよ！大丈夫！！かわいいね！！」
ほっぺをむにむにとつままれながら、優しい手つきで弁当の入ったバッグを取ってくれた。
ねじれちゃんはバイバイ！と言って手を振った。でもわたしはそれを呼び止めた。
「あの、ねじれちゃん、環くんに伝言お願いしてもいいですか？」
「うんいいよ！なになに？なーに？」
私はスカートのポケットからメモを出して、膝に押し付けながら言葉を書き留めた。
それを四つ折りにして、ペンを胸ポケットにしまう。
それをねじれちゃんに手渡しながら、「えっと」とつぶやいた。
「ごめんね、って、言ってくれるとうれしいです」
「わかった！うん！オッケー！じゃね！」
「はい、ありがとうございます〜！」
ねじれちゃんは今度こそ私に手を振って、環くんの教室の方へ小走りで向かっていった。
ふう、と１つ息をついて、彼女に背を向けた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 252人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宮垣 - 天喰くん可愛い。けどナメクジって確か寄生虫ヤバいんじゃ… (2018年2月24日 21時) (
レス) id: e5668725a2 (このIDを非表示/違反報告)
水仙(プロフ) - 天喰くん可愛いwそして主人公食料調達すごすぎw (2017年12月7日 22時) (レス) id: 2af43545d8 (このIDを非表示/違反報告)
谺(こだま) - 天喰さんがわいい (2017年11月21日 16時) (レス) id: cb3a1973eb (このIDを非表示/違反報告)
ミルクココア - 天喰君可愛いです!めっちゃ楽しみにしてマス! (2017年10月14日 22時) (レス) id: 4473a635a2 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクココア - 面白いです!続編もものすごくいいです!頑張って下さい！ (2017年10月14日 22時) (レス) id: 4473a635a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のの | 作成日時：2017年7月27日 20時
