いっぱい食べるきみがすき

なんだかんだ ページ18

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環くんがお風呂に入った隙に、すかさず電話をかけた。相手は環くんの親友のミリオくん。

『思ってたんだけどね！もうAは俺にもタメ口でいいからね！』

「わ、本当ですか！？したら遠慮なく〜」

電話口の向こうからでもわかるくらい元気そうな声を振りまくミリオくんに、つい頰が緩む。
でも自分が話したかったのはそれじゃない。環くんのことだ。

「あのね、ちょっと前にクラスメイトと話したの」
『うん？何を？』

私は轟くんと一緒にお昼を食べた時に環くんの話をして、どうなんだろうと問いかけたことと、
轟くんはそれに「まあ好きなんじゃねえの」的な返答をしてきたことを話した。

轟くんがまさかそんな私なんぞの恋バナに乗ってくれるなんて思いもしてなかったし、それも結構嬉しかった。


ミリオくんはひとことひとことに『うん』『えー！』と相槌を打ってくれて、すごく話しやすい。


ある程度まで話したところでミリオくんが『いやー』と切り出した。

『その話っぷり聞いてれば、Aはちゃんと恋してるなって思うよ！俺的にはね！！』

「え、そ、そう？？」

『そう！
なんだかんだで環もAのこと悪くはないと思ってるよ絶対。自信持ちなよ』

「あはは！ミリオくん優しいね、ありがとう」

そう話してる頃にカランと音が鳴って環くんが脱衣所からでてきた。ほかほかとした顔をしている。
噂をすればやってくる、という噂通りに現れた環くんに小さく手を振った。

ミリオくんにはお礼をして、察してもらって会話を終えることにした。


環くんとお話を少しした後、ふたりでテレビを見ながらソファに座っていた。

でもテレビなんてそっちのけで考え事をしている環くんに見とれてしまう。


確かにわたしは、環くんのことが好きかもしれない。
でもそれを伝えたらだめだなぁと人ごとみたいに考えていた。


彼に迷惑だけはかけないように。


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