おかえり ページ15
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相澤先生から泡宮、と声をかけられた放課後。
ぞろぞろと皆が教室から出ようとする中、教室に近い席の私は逆流して窓際の先生の方へと向かった。
「はい、なんですか?」
「天喰、今日帰ってくる」
「え、はい、良かった〜」
先生は私と環くんの事情を知ってくれているため、話すと心が軽くなる。
ほっと胸を撫で下ろしている ( あれっっ???何も引っかからないぞ??? ) と、
相澤先生は「まだ話してる」と遮った。
「
「え、ほんとですか…」
「ああ。リカバリーガールも治癒をしてくれるそうだから大丈夫だとは思うが。
今学校戻ってくるから待ってて、一緒について帰ってやれ」
「はい、分かりました」
先生はじゃあな、と言って教室から出て行った。
環くん、大丈夫かな。
足は自然に保健室へと向かっていった。
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ありゃ、ちょっとひどいね、と声が静かな部屋に響く。
松葉杖をついて入ってきた環くんはベッドに寝転がり、今からリカバリーガールから治癒をされるところだ。
チュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと音が聞こえたかと思うと、
疲れたような環くんの吐息が耳に入ってきた。
「お疲れさん。ペッツあげる。泡宮ちゃんも、はい」
「「あ、ありがとうございます」」
「フフ、仲が良いね」なんて笑うリカバリーガールに2人は口角を少しだけあげた。
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「おててをつかみなさい」
「やだ」
「やだくないよ」
んん、と言いながらもしぶしぶ、やっと私に頼ってくれた環くんに頰が緩んだ。
左足を若干引きずりながら歩く環くんの右手をぱしっと取り、歩幅を合わせて歩む。
「こっちの方が楽でしょ?」
「………うん……ごめん…ほんと」
「大丈夫だって言ってるじゃん!環くんはほんともう…ううーー」
かわいいなあ。
そんな言葉も言おうとすれば、轟くんの助言が頭に思い浮かんで妨害をしてくる。
ごめん轟くん。君のことが嫌いなわけじゃない。
そんなこんなで家に着き、鍵を開けて中に入った。
2人で靴を脱いで、玄関に上がった。
「環くん、おかえり」
「…うん、ただいまA」
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宮垣 - 天喰くん可愛い。けどナメクジって確か寄生虫ヤバいんじゃ… (2018年2月24日 21時) (レス) id: e5668725a2 (このIDを非表示/違反報告)
水仙(プロフ) - 天喰くん可愛いwそして主人公食料調達すごすぎw (2017年12月7日 22時) (レス) id: 2af43545d8 (このIDを非表示/違反報告)
谺(こだま) - 天喰さんがわいい (2017年11月21日 16時) (レス) id: cb3a1973eb (このIDを非表示/違反報告)
ミルクココア - 天喰君可愛いです!めっちゃ楽しみにしてマス! (2017年10月14日 22時) (レス) id: 4473a635a2 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクココア - 面白いです!続編もものすごくいいです!頑張って下さい! (2017年10月14日 22時) (レス) id: 4473a635a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2017年7月27日 20時