もうすぐ付き合う2人の話【宮侑】

episode 6：｢待ってて｣ ページ7

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長い笛の後、選手たちがコートに整列して礼をした。ぱちぱちと拍手を送る。


結局あのままずっと試合を観ていた。1試合目の後、友人に次の試合も観ていいかと聞いたら、快く勿論と笑ってくれたおかげ。


選手たちはネットの方からくるりと回って、観客たちの方へ体を向けた。
そして｢応援ありがとうございました！｣と頭を下げられる。




観戦していた人たちが拍手や、声援を送っていて、私も精一杯の気持ちを込めてたくさん拍手をした。


パッと顔を上げた選手たち。まだ宮くんだけを目で追っていると、ふと目が合った。


ぱくぱくと動く宮くんの口元を見つめると、彼は分りやすいようにゆっくり唇を動かす。多分、″待ってて″？





『え、えぇ……？』

｢今のもAに？もしかして2人、付き合ってるん？｣

『ち、ちゃう！勘違いかもしれへんし、どうしよ』

｢私はお邪魔虫になりたないし、先帰ろうかな〜｣





どこか楽しそうな友人に、そんなあ、と呟く。冗談かと思ったがどうやら本気らしく、｢今度話聞かせてな｣と笑っていた。





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結局あの後、早々に友人は稲荷崎高校を後にした。私は宮くんを待っているものの勘違いだったらどうしようという不安が募る。


とりあえず体育館の傍ではなく、少し離れた所で暇潰しにスマホをスクロールしていると、ばたばたと足音が近づいてきた。


ぱっと顔を上げると、そこにいたのは＿＿





侑｢っよかった、口パク伝わっとった……！｣

『あ、私も良かった、勘違いやなくて……』





急いできてくれたのか、少し息が上がってる宮くんだった。





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