もうすぐ付き合う2人の話【宮侑】

episode 15：返事 ページ16

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まっすぐな瞳に、思わず息を呑む。『え、ええ！？』と驚く私を他所に、侑くんは｢……返事は？｣と呟いた。





『ええと返事、は、すごく嬉しいんやけど、ごめんなさい……』

侑｢なんでえ！？え、なんで！？｣





ぎゅ、と手を握り締める。侑くんは目を点にして大きな声を教室に響かせた。


もう一度ごめん、と言うと、侑くんは眉を下げて｢理由聞いてもええ？｣と悲しそうに私を見る。その瞳は少しだけ揺れていた。





『だって、私と侑くんじゃ世界が違いすぎるし……』

侑｢はあ？世界てなんなん？同じやんけ｣





私の返答を聞くなり眉は寄せられ、揺れていた瞳はしっかりと私を捉えている。先程までの悲しそうな表情から一転して、明らかに不満そうな顔だった。




『ううんと、私なんかと侑くんじゃ釣り合わへんてこと』

侑｢は〜！？嫌や！！そんなん関係ないし！！｣





ガタン！！と音を立てて侑くんが立ち上がる。音に驚いた私は目を丸くして、背の高い彼を見上げた。


『侑くん落ち着いて、』と宥めるために伸ばした手は、侑くんにがしっと掴まれてしまう。それにまた吃驚していると、真剣な瞳に見つめられた。


＿＿彼の頬はじんわりと熱を持って赤らんでいる。





侑｢俺のことが嫌いとか、眼中にないとかなら諦めるかもしれんけど、そうやないなら無理。ちょっとでも俺のこと気にしてくれとるんやったら、これからグイグイいく｣

『えっ、』

侑｢悪いけど俺、ほんまにAちゃんのこと好きやから、簡単には諦めへんよ｣





そう言う侑くんに、心臓が跳ねた。


だって彼は格好良くて、面白くて、優しい人。たくさんの女の子から好意を寄せられているのに、強豪校のバレー部で期待されているすごい人。


そんな人が平凡でこれといった取り柄もない私を好きだなんて、有り得へんって、嘘やって思う。




＿＿＿＿でも、真剣な侑くんの瞳が嘘やないって言っている。





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