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episode 14:告白 ページ15

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短い沈黙を破ったのは侑くんだった。「あのさ、」と言う彼に目をやると、どこか真剣な瞳で見つめられる。





侑「むっちゃ今更なんやけど、その、Aちゃんて彼氏……とか、おる?」





重々しく口を開いた侑くんから言われた台詞はそれで、私はつい『えっ』と言ってしまった。でも侑くんは真剣らしく、ごくりと喉元が動く。


私はお弁当箱を片付け終えると、机の端に寄せた。





『んー、おらんよ。ていうか、おったことない』

侑「え!?……そ、そうなん?」





意外、と言わんばかりに目を白黒させる侑くんに、うんと頷く。


だって私の好きな人は侑くんだし、と思ったけれど口に出すのはやめておいた。私の回答を聞いてホッとしたように息をつく様子を見ながら、『侑くんこそ彼女とかおらんの?』と聞いてみる。





侑「俺もおらん。バレーばっかで彼女とか作る暇なかったし」

『ええ?ほんま?』

侑「なんやねんその目!ならサムに聞いてみい、ほんまやからな!」

『ふふ、意外やったから吃驚しただけで、疑ってへんよ』





本当に意外だった。だって侑くんはすごく人気で、女の子達から好意を持たれているのなんて一目瞭然だったから、きっと昔からそうなんやろうなと思っていた。


__今まで彼女がいたことがないという事実に、少しだけ嬉しいと思ってしまう。


顔が緩みそうなのを必死で堪えていると、「それなら」と侑くんが少し大きめの声を出した。





侑「俺、Aちゃんと付き合いたいんやけど」

『……え、』

侑「入学式の時に、Aちゃんのこと初めて見た時からええなって思っとった。多分、一目惚れ」

『そんなの、初耳……』

侑「初めて言うたもん、こんなん恥ずかしくて言えんわ」





ぱち、と目が合う。侑くんは耳まで真っ赤で、きっと私も同じく赤くなってるんやろうな、と思った。





侑「……Aちゃんのことが好きです、俺と付き合うて下さい」





まっすぐな言葉に息が詰まる。夢かと思うくらいに信じられない光景だった。





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佐野 愛(プロフ) - 侑がピュアやぁぁぁ!!尊い!! (3月5日 21時) (レス) @page23 id: c62a8ec195 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - リア充共幸せになれよ!!!! (2021年4月6日 8時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
魚座(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉まで、。(T_T)もうあと数話で完結予定です〜!最後まで楽しんで頂けたら幸いです! (2021年4月4日 18時) (レス) id: 6a1de1dd31 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 更新待ってました! もう最高にキュンキュンします(;ω;) やっとくっついてくれて、またすきの記録読み返したいと思います(*^^*) (2021年4月4日 8時) (レス) id: 825fc18cb7 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 魚座さん» それは私も聞きたい、、(遠い目) (2021年3月19日 1時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魚座 | 作成日時:2021年3月17日 18時

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