【刀剣乱舞】来派のお色気刀剣女士陸。 (ページ39)

今日:2 hit、昨日:19 hit、合計:79,575 hit

にひゃくさんじゅうはち。ページ39

少し時は過ぎて、金曜日。

　私は廊下をドタドタと走って、次郎さんのお部屋に向かっていた。今日は次郎さんはお休み、私も出陣を先程終えたから、基本的にあとは自由だ。

　次郎さん(と太郎さん)のお部屋の前に着いて、「すみませーん。」と声を掛けると、スッと障子が開いて、中からさっきまで一緒に出陣していた太郎さんが出てきた。

太郎「おやA殿、何か御用ですか？」

A 「あの、次郎さんいらっしゃいますか？」

太郎「すみません、今あの子は酒を買いに万屋に行っていまして……、もう少しで帰ってくると思いますよ。」

A 「そうですか、それじゃあまた伺います。」

　「ありがとうございます」と太郎さんに言って踵を返そうとすると、太郎さんが私の腕を掴んで、

太郎「次郎はもうすぐ帰ってきますし、此処で待ってはどうですか、お菓子くらいは出せますよ。」

　と言ってくれたので、私はお言葉に甘えて、たろじろさんの部屋で次郎さんの帰りを待つことに。途中、太郎さんがお煎餅とお茶を持ってきてくれて、二人で雑談を交えながら、次郎さんを待った。

　三十分ほど経った頃、「ただいまー！」とご機嫌そうに言いながら障子をスパンっと開けて次郎さんが帰ってきた。

　右手には酒瓶が入った袋を持っていて、多分目当てのお酒が買えたんだろうな、とそのご機嫌さからうかがえた。

次郎「あれ？ Aどうしてここにいんの？」

太郎「貴方に用事があるようで、私と一緒に待っていたのですよ。」

次郎「アタシに？」

A 「はい。

　明日着て行く服、どうしたら良いでしょうか？」

　そう、私は明日国行とお出掛けするときの服を全く決めていなくて、次郎さんに決めて貰おうと思っていたのだ。

　次郎さんはすぐに「アタシに任せなさい！」と言って、私の肩に手をポン、と置いた。次郎さんは酒瓶を冷蔵庫に入れると、

次郎「そんじゃ兄貴、アタシもっかい行ってくるね！」

太郎「行ってらっしゃい。」

A 「わわっ、太郎さんありがとうございました！」

　私の手を取ってずんずんと歩き出した。