【刀剣乱舞】来派のお色気刀剣女士陸。 (ページ37)

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にひゃくさんじゅうろく。ページ37

A 「宜しくね乱くん。手取り足取り、教えて頂戴？」

乱「ボクから攻める？それともAさんから？」

　山鳥毛さんと初めてお会いした次の日、私は乱くんと道場で手合わせしようとしていた。主さまや皆さんが気を遣ってくれているのか、私は乱くんと当番が被ることが多い。

　普段は仲が良い(と思う)私たちだけれど、手合わせではそんなもの通用しない。極めてしばらく経つ乱くんと私では実力の差は歴然、けれど乱くんは手加減なんかしないし、私だって本気でぶつかっていくもの。

A 「それじゃあ、私から行くわね。」

乱「掛かっておいで、今日もボクが勝っちゃうから。」

A 「あら、私だって成長したのよ？」

　太刀の中で最も速い私だけれど、短刀で、更に極めた乱くんには到底追いつけない。それに、追いつく必要は無い。

　乱くんの動きを、しっかり目で捉えることが出来れば、短刀並の機動がなくたって、十二分に闘えるわ。

　私は、目の前に迫っていた乱くんの刃を、木刀で防いだ。

・

A 「っふう～、冬だっていうのに汗かいちゃったわ……手拭い持ってきて正解だったわね。」

乱「そうだね～、室内で汗かくなら、今度お庭で手合わせしてみる？」

A 「それ良いわね、今度主さまに相談して見ましょ！」

　一通り闘った私たちは一旦休憩に入り、道場の隅でお茶を飲んだり、汗を拭ったりしながら談笑していた。

　手合わせが終わった私たちには、殺伐とした空気なんてものはなく、ほんわかとした女の子らしい空気が漂っていることでしょう。

乱「Aさんさ。」

　不意に、乱くんが口を開いた。

A 「なあに？」

　乱くんにそう問いかけると、乱くんはお茶を持つ両手を見つめながら、静かに、だけどはっきりと話し始めた。

乱「前Aさん、恋愛的な意味での好きっていうのが何なのか分かんない。みたいなこと言ったたじゃん？」

A 「言ったわね。」

　それは確か、畑当番の休憩中に恋話みたいなことを乱くんとしているときに、私が言った言葉だ。

乱「恋って、口に表せるものじゃないと思うんだ。」