【刀剣乱舞】来派のお色気刀剣女士 伍。

ひゃくろくじゅうろく。 ページ8

今剣 「はあッ！！」

小狐丸 「ふんっ！」

膝丸 「シャァッ！」




三方向から繰り出される攻撃を、髭切はひらりと交わしたり、受け流したりを幾度となく繰り返す。

しかし攻撃から逃れるばかりで、なぜか自ら攻撃を仕掛けてこない。



その様子に、膝丸だけではなく、今剣、そして小狐丸も違和感を感じていた。

本来の髭切は、自ら攻撃を仕掛けにいく刀剣であり、防衛戦をあまり好まない。
勿論それは彼らの本丸の髭切にも当てはまるし、演練などで見る髭切もほとんどがそういった戦い方をしていた。





膝丸 「兄者、あなたは何を考えているんだ」

髭切 「特に何も考えていないよ。」

膝丸 「くっ……！」





＿＿＿＿いけない、無駄な考え事は戦にも影響が出てしまう。



もしかしたらこういった性格の髭切なのかもしれないし、瘴気をまとったことで性格が変わったということも考えられる。

今そのようなことはどうでもいい。
目の前の髭切を、倒すことだけに集中するんだ。と、自らに言い聞かせ刀を握り直した。





今剣 「上ですよッ！！」

小狐丸 「殴りますよ？」



髭切 「穏やかじゃないね。」







膝丸 「ッ瘴気、断つべし！」



髭切 「だめだね、そんな攻撃じゃ、僕には届かない。」






くそっ、と言葉が漏れた。


言葉の通り、３振り中誰一人として、髭切に攻撃できたものはまだいない。
極めた今剣さえもだ。



そんな中、髭切はくつくつと笑みを浮かべ、こちらの動きを探っている。

なんだか、これからどう動こうとしているのか全て見透かされているようで、膝丸は不気味に思った。



そんなことはつゆしらず、今剣は果敢にも髭切に飛びついていく。
それに続き小狐丸も、太刀を片手に髭切へ向かって走り出す。


だがやはり、どの攻撃もふさがれ、髭切は余裕の表情を変えなかった。







膝丸 「(どうすれば良いのだろうか。このままでは我らの疲労が溜まるばかり。

何をすれば、何をすれば、兄者に届く……？！





何をすればッ…………？？！！)」

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