さんびゃくはちじゅう。 ページ23
私を彼女から奪い取った山賊は、そのまま山を立ち去って、山の麓にある小さな町に下りた。そこの街には、彼と彼の相方が住処にしている隠れ家があったのね。
彼は私を相方に自慢しようと思って、その隠れ家に飛び込んだわ。家の中では、彼の相方が何処からか奪ってきた酒を豪快に飲んでいて、もう既に出来上がってる状態だったのね。
『おい見ろよこの刀！とんだ上物だろ！』
『ﾋｯｸ、うえ〜？』
私を奪った山賊の男が、私を点高く掲げて、頬を真っ赤にして出来上がってる相方に見せ付けたの。
相方の男は半分閉じかかってる目で山賊の男と私を見ると、突然表情が変わり、目をカッと見開いて山賊の男につかみかかったの。
『っな、どうしたんだ！？』
『その刀はお前には似合わねえ！俺に寄越せ！』
『ふざけるな！これは俺が奪ったんだから俺の物なんだよ！』
『寄越せ！』
『嫌に決まってるだろ！』
まるで何かに取り憑かれたみたいに山賊の男に襲い掛かる相方の男は、中々私を渡そうとしない(まあそりゃそうよね)男の様子を見て苛ついたみたい。酒瓶を持っていた左手で、山賊の男の顔面を力一杯殴り付けたの。
ガンッ、バリン！！大きな音を立てて酒瓶は割れた。割れた金属の破片が、山賊の男の顔に降り注いだわ。
山賊の男は「ぎゃあああぁぁあ」という悲鳴を上げ、顔中から血を流してその場にどさりと倒れた。
相方の男は、死んでしまった元相棒を力一杯蹴り飛ばし、汚れていない右手で私を掴み上げた。
『酒も床に溢れた、左手も血で汚れた……あーぁ、最悪だｧ。まあだが、この刀が手に入っただけ良しとするか、ふはっ』
気味の悪い笑い声を高らかに上げ、相方の男は汚れていない家の床に私を丁寧に置くと、相棒だった男の死体をずりずりと家の外に引きずっていったわ。
それから一時間くらい経った頃かしら、彼は体中に土をつけて家の中に入ってきたの。そして私を掴もうとして、動きを止めたわ。
『おっと、せめて手だけでも洗ってこねえとなぁ』
彼はもう一度家を出て行って、次帰ってきた時は、手から腕にかけての汚れだけを綺麗に落としてきたわ。
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まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 華音さん» ひぇ……本当いつもありがとうございます！こう言ってはなんですが凄く助かります笑(いつもすみません)更新頑張ります！ (2020年7月1日 20時) (
レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんにちわ( ´ ▽ ` )お久し振りです。早速最新話読ませて頂きました♪ですが最後の辺りで文章に誤字が御座いましたので^^;御報告を致します。誤「白夜さんが変え出てくる」→正「白夜さんが帰って来るのは」ですね☆それでは次のお話を楽しみにしております(*^^*) (2020年6月30日 14時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Ａ | 作成日時：2020年6月16日 23時
