【刀剣乱舞】 来派のお色気刀剣女士 番外編。

堕ちた刀剣のゆくえ ページ34

明石 「なぁA。」

A 「なぁに、国行。」




平成遠征に向かう途中、国行に声をかけられた。
振り返って返事をすると、柄にもなく真剣そうな顔をした国行が居て、「どうしたの？」と聞く。




明石 「今日、堕ちた自分が消えてから丁度一年なんやて。」

A 「…………そう。」

明石 「彼奴、今頃なにしてはるんやろー……って。」

A 「そうねぇ、堕ちた刀剣はそのまま堕ち続けるしかないって聞くけれど…………。」





A 「先に折れた私と合流でもして、ゆっくり堕ちてるんじゃない？」

明石 「かもしれんなぁ……。」




ははっ、と何処か儚げに笑う国行に、私は少し気にしながらも、今の任務は遠征を成功させる事だから。と、気持ちを切り替えた。




A 「取り敢えず、今は遠征に集中しましょ。
そんなに不安そうな顔しなくても、あの国行なら大丈夫よ。」

明石 「……そうやな。」




一旦話を終えて、私たちは前の集団と少し離れてしまったことから少し急ぎながら歩いた。

今日の遠征部隊は、隊長が乱くん、獅子王くん、堀川くん、篭手切江くん、そして私と国行の６振りだ。
えっと、確か平成の時代に時間遡行軍の気配がうっすらしたからそれを確かめてこいって言われたのよね。


時は２０１８年、平成最後の年だった気がする。




遡行軍は何が狙いなのかしら、まさか、次の年号を変えるとか……次の年号は令和のはずだけど、『遡行』とか『苦無』とかにしたいのかしら。


苦無といえば……、堕ちた国行が苦無から私を守ってくれた事、今でも鮮明に覚えてる。

……だめね、私もあの時のことを考えてしまう。




堀川 「Aさん？ 大丈夫ですか。」

A 「ぁ、大丈夫よ。ごめんね堀川くん。」

堀川 「いえ、」




何かあったら言ってくださいね、と笑う堀川くんに、「ありがとう」と微笑み返した。









乱 「…………ぁっ、時間遡行軍の気配だ！」









乱くんの声で、私は我に返った。

……そうよ、今は任務中。目の前のことに、集中しましょう。

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