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中田翔. ページ3

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「紫さん、名前で呼んでや」


『お客様に軽々しいことはできません』


「お客様の命令だったら?」


『………わかりました。翔さん』








昨夜お相手をした川端さんとは真逆の人がやってきた
一言目が「名前で呼んで」というものだ


初対面の人にそういうことをしてはいけないと教えられている
でもそれが強引に捻じ伏せられてしまった、命令というもので






「ほんまに何でこんなとこいるんですか?綺麗なのに」






この仕事が好きなわけではない
生きていくために選んだだけの仕事だ


辞めてほしい、そう云われたら
今すぐにでもこの着物を脱ぎ捨ててでも出ていく
それくらい早く逃げ出したいのに誰もが許してくれない







『生きるためですよ、何事も。遊女だって生きるために吉原にいるんです』






残酷でもそれが運命なのでしょう

それを受け入れて此処にいるのだから








「紫さんも色々なことを抱えてるんすね、」


『それは貴方もでしょう、翔さん』


「………まあ、そうかもしれませんね」







それは秘密の扉に隠して晒すつもりもないのだから
愛は偽り、ここでの愛の言葉はすべて偽りで出来ている









「もう、お喋りはやめません?せっかくなんですから」


『それは翔さんが決めることです。私には拒否権はありませんので』


「俺は遠慮しないですよ」


『大丈夫です。私は逃げたりしませんから』







抱かれるのもそれも運命のひとつ


今ふわりと黒い蝶々が舞った、私の胸の中で。







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野村祐輔.→←川端慎吾.



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れい(プロフ) - ますとらさん» そういってもらえて本当に嬉しいです。とりあえず主人公を最後に幸せにできて良かったです← 原口選手のお話はふたつとも自分のお気に入りです(*´▽`*) (2016年8月9日 23時) (レス) id: cd5e28a008 (このIDを非表示/違反報告)
ますとら(プロフ) - れいさん» 完結…寂しくなります。原口さんの話をもう一回、読み直してきます(*´艸`) (2016年8月9日 23時) (レス) id: ae5a1b29fa (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ますとらさん» 原口選手カッコいいですよね(*´ω`)全然ですよ…台詞は考えるだけでも精一杯です笑 (2016年8月7日 16時) (レス) id: cd5e28a008 (このIDを非表示/違反報告)
ますとら(プロフ) - れいさん» コメント遅くなってすみません! うふふ、原口さんイケメンです…れいさんは甘い言葉の達人ですか!?笑 (2016年8月7日 12時) (レス) id: ae5a1b29fa (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ますとらさん» 原口選手了解しました(*´ω`) (2016年7月31日 14時) (レス) id: cd5e28a008 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れい | 作成日時:2016年6月17日 0時

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