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秘密43 ページ5

及川side


部活が終わってすぐ岩ちゃんが俺の元に来た。




「一緒に帰るぞ。」




それだけ言って、片付けをしに行った。




俺はフラフラと部室に向かい、着替えを済ませた。




部室の外で待ってると10分くらいしてから岩ちゃんが来た。




「遅いよー。」




「仕方ねーだろ。」




寒い中、ポケットに手を入れて歩き始めた。




「岩ちゃんから一緒に帰ろうって誘うの珍しいね。」




岩ちゃんの顔も見ずに、ただ真っ直ぐ前を向いてそう言った。




「ああ、話があってな。」




「話…?」




岩ちゃんが改まってそんなこと言うなんて大切な話なんだろう。




「A…。頑張ってんのか?」




部員の皆はAが病気だってことは知ってる。




もちろん岩ちゃんも。




「…わからない。」




Aが今何をしてるのかも、Aが何を考えてるのかも。




全部全部“わからない”




「…お前さ、昔からそうだよな。人の目ばっかり気にして。自分のことは全部後回し。」




岩ちゃんが雑に頭を掻きながらそう言った。




「何がわからないだよ。お前が知ろうとしてないんだろ。本当にいい加減しろ。」




岩ちゃんの真っ直ぐな言葉はいつも俺の心に突き刺さる。




「これ以上、Aを一人にする気か?ふざけんなよ!」




ガッと、いきなり胸ぐらを掴まれた。




「Aはどんな気持ちでお前を突き放したと思う!Aはどんな気持ちで自分の気持ちを殺したと思う!」




…そうだよね。俺…馬鹿だ…。




「嫌われるんじゃねーかって何もしねーで怖がってる男が一番嫌われんだよ!今のお前だろーが!」




そんなこと言われたら俺も黙ってはいられないよ。




岩ちゃんの言葉は俺の心を動かしてくれる魔法みたいだね。




「嫌われるならとことん嫌われてこい。」



「ははっ…。」




力なく笑うと岩ちゃんが俺の胸ぐらを掴んでた手を離した。




「行ってくる。」




俺は走った。




暗くて何かを飲み込みそうな夜空をバックに。




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設定タグ:ハイキュー , 及川徹 , 影国赤   
作品ジャンル:アニメ
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影国赤(プロフ) - りーかさん» そうだったら嬉しいです! 本当ですかー?私もまだまだですよー (2016年2月21日 16時) (携帯から) (レス) id: d0b3ca9761 (このIDを非表示/違反報告)
りーか(プロフ) - 影国赤さん» ぜったい友達も感動すると思います!そんなことありますよ!!私には作れませんもん!! (2016年2月21日 15時) (レス) id: 7285f8f86f (このIDを非表示/違反報告)
影国赤(プロフ) - りーかさん» お友達にも喜んでもらえたら嬉しいです! いやいや、そんなことないですよー (2016年2月21日 15時) (携帯から) (レス) id: d0b3ca9761 (このIDを非表示/違反報告)
りーか(プロフ) - 影国赤さん» いやぁー!だってこんなにも素晴らしい作品を見て欲しくて!!!もう思い出すだけで泣いちゃいますよ…泣 やっぱり才能ありますって!! (2016年2月21日 15時) (レス) id: 7285f8f86f (このIDを非表示/違反報告)
影国赤(プロフ) - りーかさん» えっ!嬉しいです!! (2016年2月21日 15時) (携帯から) (レス) id: d0b3ca9761 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:影国赤 | 作成日時:2016年2月6日 15時

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