三十四言目. また拾い上げてる ページ35
ごくり、と喉で音が鳴る
何を飲み込んだのかはわからないが
貴「これは蚊だ」
ヤバいヤバい！！！このまま憂鬱にペースを
持っていかれれば血を吸われるのは目と鼻の先に見える！！
俺の警報装置がブンブン言ってる！！
椿「へぇ？嘘はよくないよ？」
だらだら、と夏の暑さの汗じゃない恐怖から来る汗が出る
憂鬱はニンマリと口角を上げ、首を傾げている
そのあざとさが今となっては腹立たしい
貴「お、俺はもう誰とも戦う気は一切ない
ましてや吸血鬼なんかとはもうごめんだ」
そう言いながら空気に流されて二回も血を吸われた俺である
椿「じゃあ、僕に最後のチャンスをくれないかい？」
最期のチャンスだと？
椿「僕が君の血を吸って、それでも君が倒れなかったら
いさぎよく諦めるよ」
また血を吸われるのかよ・・・
結局はそうなるのか・・・気合で乗り切って
憂鬱とは友達になればラッキーなんだが、そう簡単に
終わるのだろうか？
それに、俺だけデメリット多くね？
貴「少し考えさせてくれ」
・・・・
うん、やっぱあれだ無理だ
この状況から逃げ出しても憂鬱は諦めない
それなら、憂鬱が言い出した案に乗って耐えればいい話だ
少し貧血気味だから、隣の部屋かトイレに行って
ケルベロスから血をもらおう・・・よし、決定
貴「わかった、いいぜ。その勝負受けて立つ
だけど！！その前にトイレに行かせてくれ」
椿「いいよ、僕はここで待ってるから」
憂鬱はひらひらと右手を振った
俺は廊下の角にあった、トイレのカギを閉め
ケルベロスを呼ぶ
貴「話聞いてただろ？ちょっと血をわけてくれ」
ケ「別に構わないが、私を出せば一発でケリがつくだろう？
なぜしない」
貴「そういうわけにはいかねーんだよ
言っただろ？友好的に穏便に、だ」
ケルベロスは大きくため息を吐き
尻尾をこちらへ向けた
俺は尻尾の先を口にくわえ、じゅっ、と軽めに吸う
口の中に何とも言えない甘さが広がり背筋がゾクゾクとかゆくなる
ケルベロスからもらったのは血ではない
魔力だ
応急処置だが、俺にケルベロスの魔力を送ることによって
簡単なすり傷や切り傷、貧血に風邪は治せるのだ
まぁ、滅多に使うことはないが
貴「っん、ありがと」
ケ「いいか、倒れそうになったらいつでも私を呼ぶんだ
寝ているが起こせば起きる」
コクリ、と俺は首を縦に振って
トイレの鍵を開けた
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駄天使 - コメント返しありがとうございます！無理はしないでくださいね！ (2016年10月10日 0時) (
レス) id: a5106845e0 (このIDを非表示/違反報告)
狼森犬歯(プロフ) - 駄天使さん» コメントありがとうございます！！そうですね、繋げてます・・・本編となるべく意味をつなげられるようにしていますがあまり気にしなくても大丈夫です！！まさか、気づいてもらえると思っていなかったのでうれしいです！！これからもよろしくお願いします。 (2016年10月9日 17時) (レス) id: e17c30f3fa (このIDを非表示/違反報告)
駄天使 - 面白いです！次回楽しみです。 質問なんですが、話の番号みたいなのって全部一緒に読むと一つの言葉になるようにつけてたりしますか？ちょっと気になったので。 (2016年10月8日 23時) (レス) id: a5106845e0 (このIDを非表示/違反報告)
狼森犬歯(プロフ) - ひめゆりさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2016年7月25日 13時) (レス) id: 2a9ee0d896 (このIDを非表示/違反報告)
ひめゆり - 面白いです！応援してます！更新頑張って下さい！(ノ´∀｀*) (2016年7月25日 0時) (レス) id: 679f7594a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狼森 | 作成日時：2016年4月12日 17時
